本屋lighthouse "プシコナウティカ" 2026年7月12日

プシコナウティカ
「現行の社会の論理をうまく機能させないようにする」こと。ここには、便利で、スムーズで、うまくいくシステムをよしとする、「健康な者たちの社会」に対する強烈なアンチテーゼがある。そこでバザーリアが問うているのは、「健康な者たちははたして本当に生きているのか」という問いである。  システムを一旦、機能不全に陥らせたところから、自らの感覚的自覚と効力感にもとづいて、別の関係性を組み上げていくことは、本当に「生きる」ための一つの技法であるといえるだろう。それは実は、便利でうまくいくシステムが結果的にもたらすカタストロフィを事前に回避する一種の知恵ではないだろうか。システムの一部となって機能することを拒否する狂気とか病気といったものを、こうした「こわれものの哲学」の系譜に位置づけることができるのだとすると、それはまさに、現在流通しているものとは異なった価値やスタイルにもとづく別の生への入口だといえるだろう。(p.433-434)
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