よろこびイサンディ "ハワイイ紀行 完全版" 2026年7月12日

ハワイイ紀行 完全版
随分と前に購入した記憶がある。 よく考えてみると、二十歳過ぎに購入した可能性すらあり得る。 15年以上を読了を迎えぬまま、過ごしたことになる。 読書に対する抵抗感の近接を感じながら、読書好きを周囲に公言していた時分であったから、500ページ超の本書についても、たじろぎながら、ページが繰られることはなかった。 それをなぜ、今、読み進めることになったのか。 ひとつの作品に対する読みたい気持ちは、往々にして、減衰することが多いが、本作に関しては読みたい気持ちは購入当時のままであって、そうであるならば、と思い、読み始めた次第である。 加えて、この5年程で、著者の文明論的なる作品を複数冊、読了し、好印象が持続的にあった。 その感覚は、殆ど片恋のようですらあった。 現地的な発音でのハワイイを、著者が旅し、調べ尽くした紀行文である。 理系出身の著者による確実な筆致、硬質な文体で、地学的に特異なハワイ諸島について、滔々と語られていく。 どの大陸からも隔絶した絶海の諸島としてのハワイ諸島に対する、著者の興味が、まずあって、その興味はより多くの知見を蓄えた人々へと繋がっていく。 冷静沈着な文体が乱れることこそ、ないけれど、本書をかえりみて、俯瞰できた瞬間、著者の興奮を、或いは推察することができる。 夏の盛りには読み終えていたい。
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