
チョム
@abb_20260521
2026年7月12日
月のケーキ
ジョーン・エイキン,
三辺律子
買った
読み終わった
月のケーキ、なんて幻想的でドキドキするたべものなんだろう。表紙のぞくりとするかわいらしさも素敵だな。などとワクワクしながら買ったその日にゆっくり読了。
月のケーキは心が跳ねるようなワクワクドキドキする材料で作るのに、その材料を調達する過程は全然ワクワクしないし、作るのも主人公じゃないし、結論、全然ときめかない代物であった。
すべての物語に魔法やら竜やら幻想的な要素が少しずつ登場するのに、その実、隣人トラブルやら相続問題やらスーパーマーケットチェーンの購買戦略やら現実的すぎる問題が軸を占める。身近な人が亡くなる話も多く、死生観が垣間見えるものも。
なんだかんだで「月のケーキ」の物語全体に漂う空気感、出てくるたべものへの憧れ、主人公の今後への期待なんかもあり好きなお話だなあという感想。
「緑のアーチ」の兄弟関係や物語展開の切なさ、希望の持たせ方もお気に入り。
『月のケーキ』のタイトルにまんまと惹かれたくいしんぼ読者俺は「銀のコップ」のクリスマス・プディングの描写に涎が出そうになり、思わずくちをぱくぱくさせていた。
──プディングを蒸しているあいだ、家の中に漂う香りが深くて濃厚で豊かなので、空気をスプーンですくって食べられそうな気がした。(p189)

