
wingfeet
@wingfeet
2026年7月13日
夏帆
村上春樹
読み終わった
村上春樹さんの新刊は、もう儀式のようなもので、必ず読むようにしている。
まず単純に面白かった。
相変わらずの文章の巧さ、言葉の選び方、文と文との繋ぎや組み合わせなど、高度に計算されていて、それでいて作為的ではなく、するすると読めてしまうのは、名人芸というかモーツァルトの音楽のよう。
夏帆とシロアリの女王の会話とか、実際は大した内容を話していないのに、ものすごくスリリングでヒリヒリして読んだ。
女性が主人公で、母親との対決・葛藤がテーマのひとつになっているのは興味深かった。さんざん世間からはミソジニーだのなんだの言われていることへの著者なりの回答なのかなとも思う。
作中の「殺す」という行為について、男性的なヒロイックな主人公なら、自らの意志で責任を引き受けて行うところを、夏帆は最後までそうしない。自分の意志を超えたところで、それは成立する。英雄的なるものへの対比以上に様々な寓意が込められていて、今も色々と考えている。








