まろのふ "定食屋「雑」" 2026年7月13日

定食屋「雑」
定食屋「雑」
原田ひ香
コロッケ、とんかつ、カレー、から揚げ……。
短編ごとに一品の料理が登場しますが、決して料理そのものが主役ではありません。 登場人物たちは互いに適度な距離感を保ちながら関わり合い、その空気感がとても心地よく、まるで定食屋「雑」の常連客の一人として物語を見守っているような気持ちで読み進められました。 物語の中心となる二人は、最初こそ少し近寄りがたい印象を受けますが、誰もが抱えるような悩みや不安を胸に生きています。そして定食屋「雑」で過ごす時間の中で、それぞれが少しずつ前へ進むきっかけを見つけていきます。 その過程を必要以上に説明せず、答えを読者に委ねるような描き方だからこそ、読後にも心地よい余韻が残る作品でした。
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