
阿久津隆
@akttkc
2026年7月2日
八月の光
ウィリアム・フォークナー
読んでる
布団に入って『八月の光』を開くとクリスマスがブラウンの首を絞めていて、ブラウンが「息をさせろ。静かにするよ。息をさせろよ」と言っていた。クリスマスは手を緩めはしたが放しはしないらしかった。
p.137
ぐったりした体にかぶさるように暗闇に立って、自分の指にブラウンの息を温かく冷たく交互に感じながら、静かに考えていて 俺には何かが起るぞ。俺は何かをしでかすぞ ブラウンの顔から左手を放さなくても、右手をのばせば、彼には自分のベッドの枕の下にある五インチ刃のかみそりをつかむことができた。しかし彼はそれをしなかった。たぶん思考がすでに先の、さらに凄まじい方向へ走ってしまって 俺のやるのはこいつじゃない と彼にささやいたからだろう。
手を放してやるとブラウンは伸びて、それからいびきをかきはじめた。僕も本を閉じて、眠りに落ちて、いびきをかいてなのか、静かになのか、眠ったことだろう。