
時雨崎
@rainstormbook99
2026年7月13日

文庫版 鵼の碑 (講談社文庫)
京極夏彦
読み終わった
心に残る一節
見る部分によって姿が異なる妖怪でお馴染みの鵼。
猿の顔に虎の足、尾は蛇。
この妖怪を、
本来結びつけるべきでない事象やラベリングされるべきでない名前をつけたりして、不適切な認識を持つこと、それも意識の表層ではなく自分でコントロールが不可能な深層意識の領域に刻んでしまっていること
という切り口で解釈した話だった…と思う。
言語化がもてはやされる昨今だけれども、無意識、深層意識で自分の思考の表層に現れない 認識 やら 理解 やら 分類 も存在はしているのでカウンターとして面白い。出版された頃はまだ言語化がどうたらは世間で言われてなかったはずだけど。
百鬼夜行シリーズ最新作、ようやく追いついたけど難解だ…半分もわかった気がしない。
人間は信じたいものを信じてしまう、はよくある言説だけど、それに翻弄される本作の登場人物たちを見ていると薄ら寒い心地になる。
"それだけを見て、それだけを繋げれば、別の世界が見えてしまうことだろう(中略)そして勘違いするのだ。こちらが真実なのだ――と。"
認知の歪みや陰謀論を信じ込ませるのは、「理解しやすい、判りやすく受け入れやすく都合のいい形」を提示して突っついてあげれば簡単なことだよなあ…となんともやるせない気持ちになる。
今作では珍しく関口くんが酷い目に遭っていない。榎さんにバカにされているぐらい。
よかったね!
そしてここにきてがっつり巷説百物語シリーズと繋がりが提示されてしまったので…そっちも最後まで追うか…鈍器を抱える日々はまだ続く



