
食いしん坊ちぇりぃ
@yummyyummycherry
2026年7月13日
そして、バトンは渡された
瀬尾まいこ
読み終わった
お話の冒頭に出てくる優子ちゃんの「何も困っていない」という自己認識と客観的事実には大きなギャップがあって。実のところ優子ちゃんの人生は苦難の連続。
お母さんは亡くなっていて、父と再婚した2人目のお母さんは父と添い遂げる気がなく、優子ちゃんを失いたくないあまり実の父親から遠ざけ2人で経済的に苦しい生活をし、急に予告なく豪邸の年配者と再婚したけど出て行ってしまい、今度は新しい父親を連れて再登場して豪邸から優子ちゃんを引き取るもまた姿を消し…
優子ちゃんは環境が変わるたびに慣れるために必死だし、3人目の父親との2人だけの生活も互いに気を遣い、実の親子なら文句を言い合って喧嘩するところを飲み込んでいる。。。でもきっと、年月を積み重ねるうちに「結婚は認めないぞー!」と駄々をこねられる気兼ねのない関係になれたんだろうね。合唱祭前夜の2人が好き。
現実味がないお話の中で、冷めているように見える優子ちゃんが、なんとか心のバランスを崩さないように保っているような描写がたまに少しだけ現れてそこだけリアルだった。
子育て、愛がありさえすれば良いわけじゃない派。もちろん愛情は大事だけど、それがあれば良いわけではなく子供の物理的心理的安全性を確実に保つ姿勢が保護者には必要派。だからこの物語を心温まる話として語ることには少し懐疑的。優子ちゃんの親はみんな愛が根底にあることに疑う余地はないけど、利己的過ぎると感じるところもあり、しんどく感じるところもあった。その設定が何より森宮さんの安定感に価値を与えているんだけどね、そこは演出感が透けて見えてしまい物語にのめり込みきれなかったな。
でも最後、森宮さん一人称に話者が切り替わるのにはヤラレたー。。。このまま寝たら明日の朝は瞼が腫れて困るだろうなというレベルで涙が出ちゃった。




