レッチリ
@oi09065910811
2026年7月14日
天皇への敗北
國分功一郎
読み終わった
皇室典範改正案が閣議決定されたとのことで、天皇制や立憲主義、憲法について学びたくなって読んだ。
僕はずっと戦後の日本がナショナリズム的なものを失って、統制が取れなくなった、つまり日本人の中で分断が起こった理由を、天皇の人間宣言に見出してた。この本を読んで、天皇の人間宣言ではなく、天皇がかつての戦争についてその責任を負わなかったこと、ひいては日本国全体として加害者意識というものが共有できていなかったことが重要になってくると分かった。
戦後の日本ではGHQが天皇制を維持するために日本国憲法を公布した。つまり日本国憲法は日本人が考え策定したものではなくアメリカから半ば強制的に公布に踏み切らされたものだ。しかし当時の日本人はその事実から目を背けていた。アメリカから圧力を押し付けられているという事実を無視し続けた。またその日本国憲法の9条によって天皇は戦争責任を免れ、1条によって保護されている。これらの一連の事柄によって、日本国民は戦争に対して加害者という意識を持てなくなり、むしろ被害者的な感覚が共有されるようになる。この自己欺瞞が解消されない限りは、日本国民全体が一つの単位となることはなく、そしてそれは戦後から今までずっと続いている。
日本では右派が天皇制と対立し、左派が天皇を肯定するという極めて珍しい状況が起こっている。それも全て、かつての日本国民が自らに課した自己欺瞞に根差している。戦後80年経過した今でもその禍根は消えることなく僕らを取り巻き、そのような混沌の中で日本が一つになることはあり得るのだろうか。
