
ON READING
@onreading
2026年7月14日

読んでる
@ ON READING
『倚りかからず』『自分の感受性くらい』などの詩集で広く知られる、戦後を代表する詩人・茨木のり子は、日常に根ざした率直な言葉で、人間の尊厳や自由、自立を見つめ続けました。
生誕100年を迎えた今年、およそ27年間に渡り綴っていた日記がすべて活字化され、全3巻で刊行されることになりました。
本書はその第1巻として、夫・安信と結婚し所沢での新婚生活が始まった23歳の頃から、36歳までの13年の日々がまとめられています。
詩人たちとの交流、書いた詩のこと、日々のこと、晩ごはんのおかず、映画や演劇の批評、読んだ本、世相のことーー。
引用箇所のように、詩や文学のことも書かれていますが、ひときわ、生活のこまごまとした描写に心惹かれます。
たびたびピンチが訪れていた家計のやりくり、夫との夫婦喧嘩、妻である自分と表現者である自分。悩み、自らを励ましながら歩んでいる日々の、率直で、衒いのない書きぶりがとても魅力的です。
注釈と人名索引も備えた資料的価値も高い一冊。
箱入り、クロス装の贅沢な造本もとても素敵です。
第2巻は2027年春、第3巻は2027年末の刊行予定とのこと。

