かたぎり "流浪の月" 2026年7月14日

かたぎり
@katagiri888
2026年7月14日
流浪の月
流浪の月
凪良ゆう
人は初めて見つけたものに名前をつけて、理解したつもりになっている この世にはまだ名前のないものがたくさんあるのに、既に名前があるものから選んでその名前で呼んで理解した気になる 分からないものはこわいから この小説はまず「一章 少女のはなし」を読んで一度手を止めて「少女」「女」「男」「高校生の男の子たち」について思ったこと、誰が1番自分と似た考え方を持っているか、立ち止まって考えて欲しい 出来るなら後で見返せるように記録に残すと良いだろう そしてその自分の感じた感想が本当に「正しい」のか、自分の目で見極めるために読んで欲しい きっと誰もこの物語を本当の意味で理解することはできない 作者はどうやってこのような形のない名前のないものを思いついて、言葉を紡いで、物語に出来たのだろうか、私には到底理解が及ばない でもこの小説が伝えたいことは「分からないことは分からないままでいていい」「他人のことを分からないと思う優しさ」が綺麗に描かれていると思う 現代日本を舞台にしている為、もしかしたらこの物語を現実でも起こった事件と重ね合わせたり、現実にいた似たような人を探して分析しようとするのかもしれない 私はその読み方は「正しくない」と思う この物語はフィクションであって、無理に名前や意味をつけて理解をしようとしなくて良い よく「好き」の反対は「無関心」と言われる この本を読んでその言葉に少しだけ違和感を持つようになった 好きの反対は無関心という考え方は言い得て妙だと思うが、この物語には無関心という優しさが欲しいと願う人物が描かれている 好きとか気になるとか思ったものはどうしても関心を持ってしまう、そして目に入れて分析して理解しようとした時に、自分の好きと違った場合驚くほど簡単に嫌いに転じる 一度好きになったものを無関心になるのは難しい でも、本当に好きになれれたものが求めるのは無関心なのかもしれない 今の時代、簡単に他人の生活を手元で把握することができてしまう 自分の生活をネットに載せるのが当たり前になりすぎて、他人の生活を覗きみれることが当たり前すぎて、気付けば自分と他人の境界線を切り離すことが難しくなってしまっている 苦しい自分を見ないために他人の生活を見て、楽しんだり、批評したり、否定したりして時間を潰す 別にしたくもないと分かっているのに現実逃避の方法として分かりやすい提示されているからやめられない そんな現代社会だからこそ、無関心でいる優しさが必要なんだと教えてくれた良い本です
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