"読んでばっか" 2025年3月28日

@mori16
2025年3月28日
読んでばっか
読んでばっか
江國香織
本の作風を、風景の中でおぼえる体感にたとえられてるのが好きだった。紹介された本が読みたくなる。 雨の日の、閉じ込められる感じとうす暗さ、物がみな境界線を曖昧にし、植物や家や家具といった、普段言葉を持たないものたちが俄然生気を帯びるあのひそやかさ。書物の内側と外側、物語の内側と外側、は、雨の日にはほとんど地続きになる。ある種の書物を繙くことは、雨の日を繙くことだ。 P52 須賀敦子さんの本を読むと雨が降っている気分になるという話。 子供のころ、家の近くに野すみれの群生する場所があった。夕暮れにその場所に立っていると、まわりにたくさんいるしじみ蝶と小さな花々の区別がふいにつかなくなる瞬間がくる。どんなに目を凝らしていても、ほんとうにふいにくるのだ。やがてその瞬間がほどけて蝶がまた蝶に見え、ひらりと動いたりするのだけれど、じっと見つめているうちに、またその両者は溶け合ってしまう。 P84 川上未映子さん本に結びつけられた風景。マジカルと言われてた。人為的であるはずの言葉の人為を超えている、言葉にならないはずのものでできた本だと。 本屋で見かけて気になって、noteの感想で見かけてやっぱ読もうとなった。
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