
ぽかり
@popopocari
2026年7月15日
ゾンビ回収婦
小砂川チト
読み終わった
無職になった主人公が、VR世界に新たな居場所を見出す話
読み進めるうちに、言い知れぬ空しさが
「認めてほしい、褒めてほしい」という無意識に近い願いに突き動かされた、献身的な労働
でも、どれだけ身を粉にして働いても、そこに感謝の言葉は……。これほどまでに報われない労働があるのか……
人間にとって「承認欲求が満たされること」が、いかに生きる糧になっているかを考えさせられる。
作中に登場するカウンセラーポジが「クマのぬいぐるみ」という設定には、強烈なインパクトを受けた。物語に没頭している最中は見過ごしがちだが、客観的にこのVR世界の舞台は殺伐とした空気が漂っている。
なにしろ、そこは荒涼とした廃墟なのだから
そんな終末感漂う舞台設定に、クマのぬいぐるみがカウンセリングを行っている。その光景を想像したとき、少し怖くなった。
廃墟とクマのぬいぐるみ、この相反する要素が織りなす不調和なコラボは、類い稀な不気味さがある
でも、その不気味なはずの「クマとの対話」のシーンが、とても好き。
それまで重厚な地の文が続いていたからこそ、会話劇としての印象が強く残るのかもしれない。あるいは、主人公が一人で思考を重ねるのと、他者との対話を通じてカタルシスを得ることで、読者である私たちの思考も同時に広がっていくからなのか……
この物語が描く歪な労働環境は、AI台頭によって変容しつつある「現代の労働」のメタファーか?
マルクスの言う疎外労働のようでありながら、自ら進んでシステムの一部になりたがっているように見える点において、それとは少し違う気もする
もっと現代に目を向けたものなのか……うーん知識が足りない

