
mari
@mari
2026年2月15日
黄色い家
川上未映子
読み終わった
家庭に居場所の見いだせない同じような境遇の10代20代の若者が黄色い家に身を寄せてひっそりと暮らしはじめ、疑似家族のような共同生活の中で、生きていくため違法な仕事に手を染めていく。
黄色い家が安らげる救いの場所であるのと同時に逃れることのできない檻になっていくという二面性が、煽りすぎない静かな文体で描かれる。
虚構の幸せと破綻との境目で揺れ続ける若者の気持ちが切々と伝わります。
上下巻に渡る辛い長編ではありますが、嫌な感情のまま終わらせないのは、悲惨な現実を描きながらも、文章が美しく、読んでいる人の心が破綻するのをぎりぎりのところでつなぎとめてくれている、という感じです。映画「愚か者の身分」を観た時と同じような感覚でした。

