黄色い家
367件の記録
- 寝言@negoto07042026年8月25日読み終わったそういえば川上未映子を一冊も読んだことないよなと思って手に取った最初の本。 不穏な未来が通奏低音のように脳の片隅を圧迫するので、ときどき本を閉じて休み休みでないと読み進められなかった。形は変わってはいるものの、同じような境遇で街にいる子(と子どものような大人)たちのことを思って胸が苦しくなる。
なお@nao_reading512026年8月16日読み終わった川上未映子さんの『黄色い家』は、2020年春、主人公の花がかつての同居人・黄美子の逮捕をネットニュースで知る場面から幕を開ける。そこから物語は、1990年代後半から2000年代初頭へと遡り、15歳で居場所をなくした少女が、生き延びるために「黄色い家」という疑似家族を築き、やがて違法なカード犯罪の深みへ堕ちていく軌跡を、圧倒的な熱量で描き出す。 手に取ったきっかけは単純で、「人はなぜ罪を犯すのか」というキャッチコピーに惹かれたのと、黄色はゴッホの色だという勝手なイメージがあって、ゴッホ好きとしてつい反応してしまったからだった。実際に読んでみると、このタイトルは思いつきの色ではなく、作品全体を貫く比喩として機能していることに気づかされた。 タイトルにある「黄色い家」は、画家フィンセント・ファン・ゴッホが南仏アルルで芸術家たちの共同体を夢見て借りたアトリエを彷彿とさせる。ゴッホにとっての黄色が狂気と救済の入り混じる光であったように、本作における「黄色い家」もまた、過酷な現実から逃れて身を寄せ合った女性たちにとっての切実なユートピアだった。しかし、ゴッホの理想郷がゴーギャンとの破綻によって短期間で崩壊したのと同様に、彼女たちのシェルターもまた、外部社会の冷酷さと内なる弱さゆえに、静かに歪んでいく。 前半で描かれるのは、少女にとっての「安全基地」がいかに切実に求められていたかという点だ。スナックで働く奔放な母親に放置され、頼る大人のいない15歳の花にとって、不器用で危なっかしい黄美子は唯一自分を無条件で受け入れてくれた存在だった。花が求めていたのは、誰かに愛され、明日食べるものに困らず、安心して眠れる場所という、人間としてあまりにも当たり前の権利にすぎない。読者は、ひたむきに生活を立て直そうとする花の健気さに引き込まれるからこそ、この先に待ち受ける破滅の予感に息を詰まらせることになる。 そして、物語の後半において花たちが手を染めていくのは、クレジットカードのショッピング枠現金化や偽造カードを用いた詐欺・転売といった、グレーから完全なブラックへと連なる裏ビジネスだ。特筆すべきは、花が犯罪に走った動機が「贅沢や放蕩」ではなく、一貫して「居場所の維持」と「貧困への恐怖」にあった点だ。 家賃を払い、黄美子や仲間たちとの生活を守るため、金だけが自分を暴力や路上生活から守る唯一の盾になっていく。最初は小さな違反や違和感だったものが、日々数字として積み上がる札束を前にするうち、倫理的な感覚が麻痺していく。日常と犯罪の境界線は明確な壁ではなく、気づいたときにはもう後戻りできなくなっている、極めて緩やかなグラデーションとして描かれる。 本作が突きつけるのは、セーフティネットの網の目から零れ落ちた若年女性たちの「生存のリアリティ」だ。目標や欲望自体は社会の誰もが持っているものと同じなのに、それを叶える正当な手段(教育、家族の保護、安定した雇用)から最初から排除されているとき、人は非合法な手段へと追いやられる。公的な支援が届かない空白地帯で、生き延びるための相互扶助が、皮肉にも犯罪組織の搾取構造へと直結してしまう。 犯罪そのものを肯定することはできない。しかし、逮捕されたニュースの見出しや判決文だけで「凶悪な犯罪者」として切り捨ててしまえば、彼女たちをそこへ追い詰めた社会構造の不条理は見えなくなる。なぜ普通の少女がそこへ至らざるを得なかったのかという文脈を追体験することは、加害を正当化するためではなく、同じ道に迷い込む人を二度と生まないための不可欠な視座を与えてくれる。
本の花@ailove1582026年8月6日読み終わったヤバい話だった(←この言葉は適切と信じて使う)けれど、とても惹き込まれた。不穏に進み、何が待っているのか不安な心情と、主人公の花の立ち位置に。 混沌として手に汗握る感じの中、花を見届けられて良かった。彼女が仲間に恵まれて幸せを感じる瞬間を多く持てる人生でありますように。

やお@yao_tao_2026年7月20日読み終わった花には苦しいことが次々訪れて、読んでいる側も苦しいけれど、花がなんとか前に進もうとしているので、「何とかなれ」という祈りとともに只管ページをめくった。 いないことにされているけど確かにいる人々を掬い上げている。だけでなく、今まで自分が無かったことにしてきた、やり場のない、うまく言葉にできないいろんな気持ちを、筆者の美しい文体で書いてくれていて、「無かったことにしなくていい」と言ってもらえたような心地になった。
- h_shimoda@hshimoda_06152026年7月20日読み終わった借りてきた2026年読了本英題のsisters in yellowが内容に合っている。yellowとはmoney。読み終えると明るい表紙も違う様に見えてくる

タレ@miki_nike2026年7月14日読み終わった@ CHAPTER1-COFFEE-アトロク推薦図書まつりでこたけ正義感さんが挙げていて。読み始めてすぐ唇縫い付け事件の報道があって、ニュースでは語られない背景について考えてしまった。 生まれも育ちも自分とは全く異なる主人公に、思い入れさすのが上手すぎる。圧倒的な選択肢のなさ。ふつうではないかたちの青春。何度も砕かれる希望。空回りするがんばり。 友だちと仕事をする難しさ、お金を通して変わってしまう関係性についても普遍的な話。






のん。@non___12082026年7月12日読み終わった図書館本これまで読んだ川上さんの作品であったよう独特な文章のリズム感は控えめで読みやすくなってた。とはいえ600頁近いボリュームだからそれなりに時間が掛かったかな。 終盤、再開したトロスケに言われたあのセリフからすると本当に顔が変わってたんだろうな、お金が産む怖さを結構感じる印象的な場面だった。 お金を中心にじわじわと人の本性を炙り出すような作品で重たかった〜訳も分からず4人が取っ組み合いしてるシーンなんてある意味ホラー…

本が好きな猫@nekomum2026年7月1日読み終わった読書日記図書館本8章からは図書館で借りた日本語版で読み終えた。10章前後あたりは、状況が変わるところだけを目で拾うような読み方で十分でした。この本は特に前半と最後がよかった。子供の頃に親以外の大人から受けた親切は一生心に刻まれて宝物のようになる✨ 最後の一節、英語版では「I held my breath, taking it all in, and then I closed my eyes, and fell asleep once more🚃」 日本語でも花ちゃんの心をシンプルな言葉で描写されているけれど、川上さんの言葉に含まれる情緒や余韻は英語では表せない。この本に翻訳者が2人いることに納得します。






- いずみ@izumi-11172026年6月24日読み終わったなんとなく評判で読み始めたら 暗い…家庭環境、お金、学歴、親… 抜け出せない鬱屈した希望のない空気感 冒頭で、古畑任三郎的に開示があるので このあとそうなっちゃうのか… と覚悟しながら読み進めた 暗いけれど、絶望ではない 無力感はあるが、完敗しない 平均的な環境が得られないなかで ずるい、なぜ私が、と恨みに呑み込まれず なんとか自分や人を大切にする そこで味わえる喜びとまでも言えないような でも生きようと思えるくらいのなにか リアリティがあって、心が励まされた



choco@bananachoco2026年6月22日読み始めた読み終わった借りてきた登場人物が全員幸せにならない。 みんな一生懸命生きているのに、まじめには生きていなくても、いま生きるために、将来のために、不安を抱えながら生きているのに、抜け出せない。 境遇から、環境から、人生から。 誰も大逆転できず、その中で、平凡な生活を得られた者が結局は一番幸せである。 特に、がんばってしまう人はつらい。 自分だけがんばってると思うと、よけいつらい。 そしてがんばれない人も、たぶんつらい。 自分にはここまでしかできないと、知っている人もつらい。 自分の病気を知った人もつらい。 よかれと思ってしたことが、最悪の結果に繋がったと知ることもつらい。 そんなストーリーの中で、 日常生活のよくある一コマがとてもうまく文章化されていて、それがとてもよかった。 うまく言えないけど、友人とくだらないことで笑ってる様子とか、マンガではなく文章で表現するのは難しいと思うのに、そういう場面がいくつもあって、この作者はそういうところを丁寧に拾う人なんだなと思った。 私だったら、その状況をどう文章にするのか、めんどくさくてそんなシーン入れないと思う。 だからこの作品は、マンガ化とか映画化されても見てみたいと思った。
てのひら@back_patting2026年6月12日読み終わったお金と人間に翻弄されるお話。どこにでもあるといえばあるのだろう。労働して得た対価と人とのつながりに幸せを感じていた主人公のキラキラとしていた様子が次第に濁っていく様が辛かった。他者を他者であると尊べられる距離感は必要である。

Michika@0610shun2026年6月5日買った読み終わった努力や労力がお金に変わる時の達成感、 それが手元にある安心感、 入ってくるお金の流れが滞った時の焦りとか、 大事なものを守ることが目的だったはずなのに だんだんその目的がお金を持っておくこと自体にすり替わってしまう感覚、 お金の魔力を感じる内容だった。 主人公たちの生き方は 決して正しい生き方ではないのに、 間違っていると否定もできない。 生きていくための罪は罪なのか。 ずっと救いを求めて考えながら読み終えた。









綾鷹@ayataka2026年5月25日親元を離れた17歳の主人公・花が、「黄美子」という女性や同年代の少女たちと疑似家族のように暮らし、生きるためにより深い闇・犯罪へと巻き込まれていく物語。 読みながら胸が苦しくなる物語だった。 生まれながらに変えられないものに対するやるせなさ。安心して生きること、幸せを守ることへの切実さ。窮地の中に現れる日常の幸せ。 花が黄美子さんとの生活をなんとか守ろうとし、それでも崩れていく様子は辛い。 本当に辛いときに支えてくれた黄美子さんとの生活に花が執着するのは仕方がなくて、花も黄美子さんも悪かったとは思えない。 黄美子さんや花の母親の様子は『ケーキの切れない非行少年たち』を思い出した。 自分も当たり前の幸せを軽く見過ぎでいるのかもしれない。 ・『血ってなんだ』 しばらくして雨俊さんは言った。 「ガキの頃からさんざん言われてきたけどさ、じっさい俺、わかんねえんだわ。あいつらの言ってる血ってのがなんなのか。血に汚いとかきれいとか、えらいとか、そんなのあるのか?本当のところ、あいつらはどういう意味で言ってんだ?仮にそんなのがあるとして、でもそれをなにでみわけるんだ?食べてるものか?生まれた場所か?親の、そのまた親のやってきたことか?顔つきか?それとも名前か?なんなんだ、血って』「連中もわかってないよ』志訓さんは言った。『わかってないから言えるんだろ」「なんだそれ、なんでてめえでわかってないことが言えるんだよ』「わかってないことを話すときが、人間いちばん調子にのれるからだろ』 「調子にのる?」雨俊さんは志訓さんの顔を見て首をかしげた。『なんだよ、調子にのるとかの問題かよ」 「そうだよ、雨俊』志訓さんは笑った。『だいたいのことは、ぜんぶ調子の問題だよ。理由とか、本当はどうとか、そういうの誰もいらないんだよ。調子にのってるやつといると、自分までうまくいってるように感じるだろ、気分がよくなって、ぜんぶうまくいってるように思える。みんなそれが好きなんだよ。だから調子にのってるやつに、人も金も、運も集まる。力をもつ。だからいちばん調子にのってるやつの言うことが、そのときいちばん正しいってことになるんだ』 「おまえの言うことは、いっつもよくわかんねえけど』雨俊さんは頭をかいた。『調子にのったやつがいい目するなら、じゃあ、俺らが調子にのれんのはいつなんだよ。どうやったら調子にのれんだよ。俺も調子にのりてえよ』『あはは、俺らは無理だよ』 「なんでだよ」 「なんでもだよ」 そう言って笑う志訓さんに、雨俊さんは最初は納得できないような顔をしていたけれど、そのうちにつられて顔をゆるめ、最後は三人で声を出して笑った。 ・金を出すやつは金を出してもらうやつより強い。金を出してもらわないといけないやつは、金を出してくれるやつより弱い。金を出すやつは口を出すし、それが通る。金を出すやつには意識していてもいなくてもいつも優越感があって、出してもらうほうは無意識のうちに卑屈になるし、顔色をうかがうようになっていく。強いものは弱いものを自分の都合でいつだってないことにできる。現にスナックを辞めて不動産屋の仕事を一緒にやるんだと目を輝かせていた母親は二年もたたないうちにそうなった。別れたのが病気のあとなのかまえなのかはわからないけど、けっきょくなんにもならなかった。いつだったかエンさんが言っていたことも思いだす。金をもってる男にろくなのはいないーもちろん金をもってるのは男のほうが多いからエンさんの言うことは筋が通っているかもしれないけれど、でも肝心なのは金をもっているのが誰なのか、つまり、金のありかなのではないだろうか。貯めて貯めてちょっとこぼれてくるのをすするくらいがちょうどいい、エンさんはそうも言っていた。自分で稼いだ金だけが自分の金で、自分を守ってくれるのは誰かの金ではない。自分で稼いだ自分の金だけなのだ。 ・「・・・・・・・映水さんの仕事のことね、わたし最初すっごいびっくりして、わけがわかんなくて怒ったんだよね。「れもん』が勝手に使われてるのもいやだったし。怖かったしさ。なんかじられないって感じで。でも、映水さんの話を聞いてるうちにーうまく言えないんだけど、なんかいろいろ、考えるようになって」 「うん」 「だってわたしだってさ、未成年で家出同然で、まだお酒飲んじゃいけないのに毎日飲んで仕事してるわけだよね。響察が来たときびくびくしたし。今も年齢は隠してるしさ。でもね、わたしからすると、生きていくにはこれしかないっていうか、これ以外になかったっていうか、それは本当なわけだよ。だから映水さんも、そこはおなじで」 「うん」 「だからって、べつに自分のやってることとか映水さんのやってることが正しいって言いたいわけじゃないし、言えないんだけどね、でも、じゃあ、わたしは間違ってるのかって言われると、なんか、そうは思えなくて」 わたしは考えていることがうまく説明できなくて、こめかみをごしごし掻いた。 「正しくないよ、そりゃ正しくはないけど、でも間違ってるわけじゃない。そう感じるの。未成年だし、その意味で悪いことなのかもしれないけど、でも、人生として間違ったことをしてるのかって訊かれると、そうじゃないっていう気持ちがどうしてもあって。わたし、なんか、映水さんの話きいてから、ときどきそういうこと考えるんだ。わたしは年をごまかしたりしてるけど、その意味で嘘をついてるってことにもなるんだろうけど、でも1間違っていないと思う。でも、おまえの人生どうなんだって訊かれたら、なんて答えられるんだろうって」「人生って?」 「いや、だから、間違ってないかもしんないけど、でも、おまえの人生どうなんだっていう」「それは」黄美子さんがわたしの顔を見て言った。「誰に訊かれるの?」「え?」 「誰が、そんなこと訊くの?」 「誰って」 わたしは黄美子さんの顔をじっと見つめた。 「誰もそんなこと、訊かなくない?」 「訊かないかもしんないけど」 「じゃあ、いいじゃんか」「え、いいの?」 「だってそんなこと、誰も訊かないよ」「・・・・・・自分が自分に、訊いてるのかもしんないけど」「じゃあ、自分で自分に訊くの、やめればいいじゃんか」 わたしは黄美子さんの目を見た。自分で自分に訊くのをやめるしそれはこれまで考えたこともなかった発想だった。わたしは何秒間か言葉に詰まり、黄美子さんはそんなわたしを不思議そうに見ていた。 「いや、でも、それだとー」「うん?」 「困るっていうか、いや、困りはしないけど」「じゃあ、いいじゃん」「そうかも、しれないけど…・・・・」 「なんか、むずかしく考えるの花っぽいけど」黄美子さんは笑った。わたしはなんて答えていいのかわからず黙ってしまった。テレビは料理番組から通販番組に変わり、金粉入りのクリームが画面いっぱいに映しだされていた。 ・「あー、あんま深く考えないでいいよ」ヴィヴさんがふふんと笑った。「世の中は、できるやつがぜんぶやることになってんだから、考えたってしかたないよ。無駄無駄。頭を使えるやつが苦労することになってるんだよ。でもそれでいいじゃんか」「苦労するのは、いいことなんですか」 「いいことだとは言ってないよ。しょうがないってこと。でも苦労もできない馬鹿よかましでしよ。あいつらは幸せかもしれないけど、馬鹿だよ。あんた、幸せになんかなりたい?」「わかりません、幸せっていうのがどういう感じか」 「幸せな人間っていうのは、たしかにいるんだよ。でもそれは金があるから、仕事があるから、幸せなんじゃないよ。あいつらは、考えないから幸せなんだよ」ヴィヴさんは言った。「あんたは頭が使えるんでしょ。じゃあいいじゃん、それで。頭使って金を稼げば。博突なんかやんないでふつうに生きていくぶんには、金はわかりやすい力だよ。それはそれでなかなか面白いもんだよ。知恵絞って体使って自分でつかんだ金をもつとね、最初からなんの苦労もなしに金をもってるやつの醜さがよくわかる。頑張んなよ」 ・いっぽうで、わたしはすごく機嫌のよいときもあって、そんなときは以前のようにみんなを連れてマックに行ったり吉野家に行ったり、駅前をぶらぶらしたりした。桃子と蘭は渋谷や新宿に行くのが好きだったけれど、わたしは三茶以外の場所に行きたい気持ちにはなれなかった。大きな街はアタックで行くだけで充分だった。三茶を歩いていると、住宅街でも商店街でも、友達や家族、それから恋人みたいな誰かと楽しそうに歩いている誰かを、かならず見かけた。わたしとおなじ年くらいの女の子たち。みんな顔からはみでそうな屈託のない笑顔をみせて、みんな幸せそうにみえた。その幸せはたぶん、親なのか家族なのか彼氏なのかは知らないけれど、でも、自分より強い誰かに守ってもらっているという自と安心からにじみ出ているなにかであるように感じられた。そんな光景を見たあとには胸のあたりにどす黒いものが渦巻くのを感じた。 ・「ねぇ、き、黄美子さん、わたしと」 わたしは両手で顔を押さえて言った。 「わたしと一緒にいこう」 自分がどれだけのことを言っているのか、そんなことができるのかどうかもわからなかった。 でもわたしはそう言わずにはいられなかった。仕事もない、狭い部屋で、自分ひとりが生きていくのがぎりぎりの日々で、ここから黄美子さんを連れて出て、こんな自分にいったいなにができるのかわからなかった。でもあの日、黄美子さんはわたしを連れていってくれた、ひとりぼっちだったわたしを一緒に連れていってくれた、長い時間がたってわたしたちはこんなことになったけど、こんなふうになってしまったけど、でもわたしたちが一緒に暮らした日々は、それだけじゃなかった、ひどいことばかりじゃなかった。 黄美子さんは「れもん」で、あの家で、ご飯を食べながら、歩きながら、心から笑うことをおしえてくれて、わたしをしあわせにしてくれた、受けとめてくれた、わたしがいま黄美子さんにできることはこれしかなかったし、取り返しのつかないことだけが残った今のなかで、黄美子さんはこうしてひとりきりで目のまえにいて、誰も頼れずに弱っていて、黄美子さんを支えることができるのは、こんなわたしだけれど、でももう、わたししかいないのだ、もう一度、黄美子さんとやり直すことができたら、そうすることができたなら、黄美子さんを救うことができたならわたしは泣きじゃくりながら、黄美子さんに言った。 「黄美子さん、わたしといこう」 黄美子さんは口を半分ひらいたまま、わたしを見ていた。
ふみたき@readsmomo25102026年5月18日読み終わったみんなどうやって生きているの?どうやったら正しいレールに乗れるの? ↑外部環境が運要素が大きすぎるし、内部環境が運に頼り過ぎた考え方に歪んでいるのも問題 生きていればいつか少しはいいこともあるねと思った

Igawa Kaori@kaochan0_02026年5月17日読み終わった微ネタバレ注意単行本の装丁がとっても良い。 けど、持ち運べないので読むのに時間がかかってしまった。 黄美子さんはああいう人なだけで、周りから誤解されやすいだけで、ほんとはとっても優しい人。 花はみんなを、この生活を守るために頑張っただけ。 みんなだれもが生きることに一生懸命なだけなのに、どうしてこうなってしまったんだろう。 悪いことをしようと思ってしたわけではないのに。 社会のどうしようもなさが良く分かった。


本が好きな猫@nekomum2026年5月8日買った読み始めた大型書店の”二冊買うと二冊目が50%オフ😉”に惹かれて立ち読みをしていたら、展開していく物語が想像以上に面白くて、まさか買うことになるとは。 私は暴力、子供の貧困やネグレクトに触れている物語は苦手なので、漢字でそれが目に入ってこない分、ストレスがかからなくて読みやすい。でも、女の子の心の内が描かれていたり、小さな光が差す場面にはジーンとくるものがある.. 大きな枠で全文章を、ほぼページ全体を鉛筆で囲みながら読み進めています✏️ 三章に入り、〈🍋の表紙〉の意味に、 なるほど〜。









本が好きな猫@nekomum2026年4月29日気になる見かけたなぜレモン🍋?近所の本屋さんで活躍されている日本人作家さんの作品を思いがけなく見つけると嬉しくなる。1990年代の東京。貧困と友情に焦点を当てた、女の子たちの生き抜いていく物語。






ナノハナカオル@nanohana-k2026年4月23日読み終わった生きることは難しすぎる。主人公花の15〜20歳のわずか5年の人生は、どれだけ凝縮されていたんだろう。 トロスケと再会したときの、お前顔が違う、もっと普通だったろという言葉が、特にぐさり。 もしかしたら、化粧がハデとかそんなことなのかもしれないけど。 顔つきって、環境で変わるもんね。 花たちの会話の言葉遣いも生々しくて、わたしの可愛い姪っ子たちが、こんなふうなしゃべり方しだしたらどうしようと想像したら、またまたぐさり。 花の物語は、現実でもどこかでボロボロでギリギリで心を殺して生きてる誰かの人生だ。 もし花は、黄美子さんと再会しなかった人生をやり直すことができるなら、そうするのかな…。

ミミ@mmmi2026年4月19日読み終わった自分では産まれる場所も親も選べないからなあ、もし自分の出自もこんな感じだったら、人生どうなってたかなあ、社会は全ての人を救うことはできないから、こぼれ落ちていく人もいっぱいいるよなあ、本人の努力とかそういうんじゃないんだよなあ、とりあえず勉強して学校行って少しはまともな大人に聞いたり頼ったりして奨学金でもいいから大学行ってまともな友達と付き合うのがいいのかなあ、わからん- ちゃんだい@chandai2026年4月13日読み終わった読みやすい。一気読み。 花の母の悲しみと大人になりきれない哀しみが胸に迫る。 社会的な支援が必要な人に支援が届かないもどかしさみたいなものを感じる。 あと、花は40歳になっても男と恋愛した様子がないのは何か理由があるのかな。

ふれとー@ft_34762026年4月12日かつて読んだいかに自分が恵まれて生きてきているか痛感させられる本。 主人公たちは、みな真面目で、優しくて、生きることに必死だ。どうしたらよかったんだろうか。 そもそも、福祉という制度で「救う」という概念自体、烏滸がましいのかもしれないが、いわゆる申請型の福祉では絶対に届かない、救い出せない社会の暗部(そして現実よりはマイルドなのだと思う。)を、淡々と描き出していた。
イネイネ@ah-ineine32026年4月6日読み終わった@ 自宅真っ直ぐに生きることができない人たち。犯罪にあたるようなことでも、やらなければならない。いつ手が後ろに回るようなことになるとしても、全て失うリスクがあるとしても。そうしなければ生きてはいけない。 中卒で家を出て身分を示すものが何もなくなってしまった花は、母親の友人・黄美子と一緒に営んでいたスナックを火事で失ってしまった事をきっかけに闇ブローカーのヴィヴィさんを紹介され犯罪に手を染めることになりました。 きっと他に選択肢もあったでしょう。同業者の知り合いもできたのだから頼み込んで雇ってもらうこともできた筈でした。しかし、あの時彼女には自分たちの【居場所】を守るためには出し子という仕事が最適だと思えたのでしょう。 第三者が見ればきっと主人公はグルーミングのような事をされていたのでしょう。20年後に電話で映水は「あいつ(黄美子)は報道されていたようなことはしてない」と言いましたが、ラッセンの絵を持ち上げて襖に差し込んで壊してしまうシーンを見ても自制できない暴力衝動のようなものはあった人なのじゃないかと…精神疾患もしくは発達障害、認知症の初期症状のようなものであったかもしれません。 私は、このような境遇に置かれる人達に福祉の手が及ぶ環境になれば良いのにと思わざるを得ませんでした。第三者が介入していれば彼女達も真っ当に生きていけたのかもしれない。職業に貴賎はないけれども、犯罪に加担しなきゃならなくなったとなれば話は変わってくる。 読了後に鼻の奥がツンと痛みましたし何とも胸が締め付けられるような気持ちになる一冊です。


本のミフコ@mf_4613252026年4月3日読み終わった誰かのため何かのために必死になることで自分の寂しさを埋めようとするの、寂しいし自分にも思い当たる節があって読んで少し落ち込んだ。 最後の黄美子さんとのやりとり好きだな



イネイネ@ah-ineine32026年4月3日借りてきた散歩コースのカフェでタルト・タタンとアイスフルーツティーをいただきながら。温かくて甘酸っぱいリンゴのタルトを頬張りながら300ページ弱読み進めました。 文庫版は前後編らしいのでハードカバーだと結構読み応えが。




kaho@_b_ook_2026年4月2日読み終わった✍🏻自分の金、貯めて貯めて、こぼれおちたのをちょっとすすって生きていくくらいでちょうどいいよ、なんの保証も約束もない生かただもの。 仲間がいたって友達がいたって金がなければとも倒れ、貧すりゃ鈍する、みんな死んじまって、生きてるやつはみんな最期は独りになるよ。 そのときになって金がないのがどんだけ惨めか。 貯めたってあの世に金はもっていけないなんてぬかすやつがいるけど、もっていく必要がどこにある。 余ったら置いていけばいいだろう。 人間は年をとって死ぬけど、金は年をとらないし、死なないからね。
イネイネ@ah-ineine32026年4月1日読み始めた借りてきた最近、母親がちゃんとしてない家庭の話読むこと多いなー笑 川上未映子さんは短編集が好きな雰囲気だったので、今回も面白そう。80ページぐらい一気読みした。 あと3冊控えてるから今週中に読んじゃいたいところ。
鬼サソリ@hereditary_03292026年3月19日読み終わったお金をめぐる、辛い生の物語 名文がポンポンでてきて、弱くて貧しかった少女時代を思い出してえぐられる 黄美子さんの顔がぼやけていくことと花ちゃんの顔が変わったと言われることで対比していくことが面白い 蘭と桃子の顔はなくなっていくんよね 花ちゃんは最後まで弱くて寂しい花ちゃんだった。自分を必要としてくれる誰かを繋ぎ止めようとした。残酷だけど、人ってそういうものなんだね 黄美子さんは、世の中の機微はわからない人だけど、人をケアすることと部屋を綺麗にすることはできる人だった つまり、母親にちゃんと愛されて育ったし、母性を備えた人だってこと 花ちゃんは、愛されなかった子どもだった。 ご飯をくれて一緒に生活してくれた黄美子さんに執着したこと、家長になったとき、モラハラ支配者になっちゃったこと。きっと花ちゃんのお母さんもそういう育ちだったのだろう。 琴美さんは何故黄美子さんが好きだったんだろう。優れた容姿が男の執着を引き寄せ、お金を集める装置としての役割として少し不可解 女性同士の絆、シスターフッドの担い手だったのかな 水商売を背景にしつつも、性売買やレイプを排したのは非常に良かったと思う



mm@miho-05252026年3月13日読み終わった境界知能、毒親、ボーダー そうゆう言葉はまだなくて (ないとゆうか浸透してなくて) 暴対法ができたばかりの歪な裏社会に取り込まれるしかなかった10代の女の子たち。 無理矢理やらされてんじゃないところが辛い。 自分がみんなを守らないと、 できるひとがやらないと、ってさ まともに稼いでいるひとに汚い金だと非難されても汗水たらせと言われても どうやったらそっち側にいけるの? どうやったらその権利が貰えるの? 産まれる環境は選べなくても曲がらないやつは曲がらない!そいつ次第だろ!と言いたい気持ちはゼロじゃないしそうゆうタフな奴がいることも事実だけど。 それでも。 守ってくれるはずの大人から奪われ続けた子供に『自分で選んだんだろ』なんて 誰が言えるんだろう。



マイ(カルガモBOOKS)@karugamobooks2026年3月1日読み終わった@ 図書館図書館で予約800人待ち。2023年2月に予約、やっとまわってきた。素晴らしい読み応え。お風呂の中で夢中になって読んでたら、いつの間にがお湯が冷めきっていた。気づけば深夜3時。




asahi@b00k_09282026年2月22日読み終わった黄美子と少女たち2人と擬似家族のように暮らした日々。 最初は仲良く暮らしていたのに、徐々に花が追い詰められて豹変していくところが怖かった。 一番皆のことを考えて、責任感もあり仕事を振ったのに裏切られてしまう。 『れもん』をまた皆でやるにはお金があるだけじゃ難しいこと、花の気持ちを思うと切ない。 普通に健康保険があり、口座を持てて、仕事をしてお金を貰う。それを願っても叶わない人達がいることを知った。
mari@mari2026年2月15日読み終わった家庭に居場所の見いだせない同じような境遇の10代20代の若者が黄色い家に身を寄せてひっそりと暮らしはじめ、疑似家族のような共同生活の中で、生きていくため違法な仕事に手を染めていく。 黄色い家が安らげる救いの場所であるのと同時に逃れることのできない檻になっていくという二面性が、煽りすぎない静かな文体で描かれる。 虚構の幸せと破綻との境目で揺れ続ける若者の気持ちが切々と伝わります。 上下巻に渡る辛い長編ではありますが、嫌な感情のまま終わらせないのは、悲惨な現実を描きながらも、文章が美しく、読んでいる人の心が破綻するのをぎりぎりのところでつなぎとめてくれている、という感じです。映画「愚か者の身分」を観た時と同じような感覚でした。

ざっきー@sladunoy2026年2月14日読み終わった⭐︎4.0 お金とはなんだろうか。お金を支配する人生、お金に支配される人生。 生きるには、金が必要。でも、金が全てではない。この黄色い色の札に、ただの黄色い紙に動かされ続ける自分でいいのか。 金に狂わされる人間達。でもそれは、自分たちの人生を、守り、切り開いていこうとした証なのかもしれない。 金と人間。 切っても切れないこの関係性の中で、金がなくても幸せに生きていけるなんて簡単には割り切れないこの世の中で、金と共に生きる。そう、金とうまく付き合って生きるのだ。

しおり@Kaffee58882026年2月10日読み終わった貸していただいた本! うわぁぁ!読後に残るこの圧倒的に読んだ…読み切ったよ…の走りきった感、久しぶりでした。面白かった。最後まで読んで、すっきりすることもないし、もやもやすることもない、ただ黄色い家があったんだ、っていう事実だけがすり抜けていくような作品でした。良い読書。 金と親子関係と生き方の3つが主軸かな。 まず、金。総括、金で得た縁は碌な終わり方をしない。そもそも対等な関係ではないのだ。貸す人と借りる人、支配者、支配される人、それで区別される。お金が絡み出すと人間関係ってどうやってもギスギスする。それがどんなに親しい関係だったとしても、人は金で変わる。 金は人生を変えられる。それだけの魔力も力もある。だからこそ、人は金で変わる。 幼少期とかに得られなかったものにずっとしがみついてしまうんだろうな、と思った。ずっと欲しかったのに手に入れられなかったもの、とか。それがあれば人生変わったのに!とか恨んでみたり。 誰かに縋って、誰かを生きる理由にしてみたりして、そうやって生きた人間の手には何も残らないんだなぁ…と少し苦しくなった。花だっておそらく、はじめて手にした家族みたいなものを守りたかったんだろう。それが自分の役割を超過していたとしても。ただ、それをやり切れるほどの人間ではなかった、背負い切れるほどではなかった。無償の愛を振りまけずに、愛を押し付けて、返してくれと泣くのはあまりにもやることが幼稚だ。それでも信じたかったのだろう、はじめてできた家族に似た何かだったから。彼女はずっと子供のままだったのだろう。誰にも甘えられずに大人にならされたから。 全員がちょっとずつ人に寄りかかって生きて、自分の人生をちょっとずつ人に押し付けているから、だからみんなどんどん悪いほうに転がっていく。どうにかなる、で生きていけたらどんなに楽だろうね。どうにもならないから、ちゃんと地に足をつけて、嫌なことも「あーなんかまぁ嫌だけど、ちゃんと生きますよ〜」くらいでしぶとく生きている。それが出来ない人たちがどんどんこの社会からあぶれていく。 この作品、だいぶしんどかったです。 最後のシーンが花の人生を表しているようで辛かったな、と。どこにも、何にも残ってないんだね。なかったのかもね、黄色い家なんて。








hanao@hanao2026年2月8日読み終わった図書館本川上未映子読了。しんどかったな、さすがに。ずっと危うくて、どう考えてもいい方向には転んでいかないのが目に見えていて、でもぜんぶ先送りにするしかなくて。黄美子さんの特性が顕在化した途端、いいろんなことがよくない方にクリアになってしまって。こんなにしんどい話なのにどんどん読ませてしまう文章力にも感服する。きつい…。


ぴりから@pirikara2026年2月8日読み終わった普通に暮らす。 裕福じゃなくていいから、 普通にご飯が食べられて、たまには放課後寄り道できるような。 子供なのに働きにでないとそれができないような所は現実にもある。 そんな少女達の生きるための、物語。





yt@yt2026年2月5日読み終わった「青春みたいだと思った」(p173) 想い出がいっぱいなら、生きていける。 「あの瞬間だけ、金がこの世の中でいちばん無意味なものになるんだ」(p369) お金が人を狂わせる、でも一度狂った人にしか見えない静寂があった。 「わたしらの家、黄色にする」(p478) 無理なことなんか、なんもないけど、わたしたちはがんじがらめで身動きとれないよ。 「すべてに倦んでいた」(p544) 悲しみの中で思い出される最高のカラオケ、リップヴァンウィンクルの花嫁を思い出した。 何もなかったように、生きていける。









M@MMM08__2026年2月3日買った読み終わったおもしろかった… 久しぶりに時間を忘れて、ご飯を食べるときも読んで寝る時間も惜しんで読んだ。 純粋であることは悪いことではないけれど、どうしようもない事情で、感情で、悪に流されてしまうこともある。 善悪を知っている・知らないという次元じゃなくて、心のもっと深いところから突き動かされる。 そこでそのまま行動に移すか、理性で抑えて貧しいながらも正しい道を選べるかの瀬戸際には、どっちに傾いてもおかしくないような、本当にほんの少しの差しかないんだと思う。 いつか来る幸せな日々を夢見て、苦しい日々を今すぐ抜け出したいという気持ちは痛いほどわかる。 (文庫版と迷ったけれど、単行本の装幀があまりにも素敵すぎるので単行本にして正解でした。)



nessie@nessieayako2026年1月16日読み終わった感想、ぜんぜんまとまらない……。 ただ、これは血の通った生身の人間の話なんだっていうことをただただ思って、主人公の生きようとする力がめちゃくちゃ凄くて圧倒された。 彼女を取り巻く大人たちは、所謂陽の当たる道を外れてしまった人らなのかもしれないけど、でも、主人公を陥れたかったとかではなく、自分が分け与えられる生きる術がこれしかなかったから、だからそうならざるをえなかったんだろうなって感じる。 どうしても会わずにはいられない思いにかられること、先のことが考えられない状況にいても「一緒に行こう」と伝えてしまえること、そんなふうに思える相手がいることは、仮に傍目にどう見えたとしても、不幸とはいえないんじゃないかなと、そう解釈すること自体がエゴかもしれないけど、強く思った。









埋没@mai_botsu2026年1月14日読み終わった初期から読んできた方はお分かりのとおり 最近の川上未映子の作品は 文章よりも物語に偏っていて 『乳と卵』以来の少女とか貧乏とか 『わたくし率』の歯とか そういういろんなモチーフに 事件性を組み合わせて物語にしたら きっと生まれるのが『黄色い家』で 新聞連載だから冗長と感じる部分も 当然あるのだけど、それでも あ、川上未映子だなあっていう往年(?)の 言葉遣いというか、文字の閉じ開きというか、 言葉の繰り出し方みたいなのに出合うと これを求めたのって感じになる。 『夏物語』の100倍くらい良かったと思いました。 p55 たぶん黄美子さんは今日いなくなることをなぜなのか決めていて、そのあとひとりになったわたしのお腹が減っても困らないように、ここに、こうやって、食べ物をひとつひとつ、詰めてくれたのだ、食べ物を、わたしにーーそう思った瞬間、胸がつまった。わたしは冷蔵庫の奥から漏れてくる薄い黄色の光を見つめながら、動くことができなかった。


nessie@nessieayako2026年1月12日読んでるP210 「調子にのってるやつといると、自分までうまくいってるように感じるだろ、気分がよくなって、ぜんぶうまくいってるように思える。みんなそれが好きなんだよ。だから調子にのってるやつに、人も金も、運も集まる。力をもつ。だからいちばん調子にのってるやつの言うことが、そのときいちばん正しいってことになるんだ」 ひええ……。調子にのってる奴が天下取れる世の中は劣悪だよなぁと改めて思うなどした。





Sakurada@sakurada_72026年1月11日読み終わったまっとうに生きる、真面目に生きるって なんなんだろうな…とずっと考えてしまった。 世代が近いせいか、「すぐ隣にあった世界」と感じた。でも、自分とは違う世界と思うとどこか安堵している自分にも気づいて、私は考えてないのだとゾッとした。

茅野@mizuumis2026年1月8日読み始めたaudibleシンセミアをオーディブルで聴くのは諦めた 作家が表に立つことの悪い面なんだけど、こんなとろい思考や行動の視点人物で書いてあなたはそれでいいんですかね,と思ってしまう。すべまよで顕著だけど……

読書太郎@gatagsac2026年1月6日読み終わった初めての川上未映子作品。 読みやすいというか、淡々と進むというかよく分からない感覚、すっと読了しました。 自分とほぼ同世代の話で時事なども懐かしく思いながら読んでいました。 水商売に務めている女性の独特な感覚、行動がすごく共感もあり昔から変わってないのだなと思いました。 主人公の自分が何とかしなくてはという感覚は共感するところもありましたが、おそらく小説として読んでいることで後半になるにつれ危うさを感じました。

- mimi@mmm-32026年1月4日読み終わった本当に必要だったのは、お金だったのか、人との繋がりだったのか…お金を支払う側が与えられる側を支配してしまうのは必然なのか… 人が生きていくために必要なものは何なのか…偶然貧しく生まれたことが不幸の始まりなのか… 主人公と同世代だった懐かしさもありつつ色々考えさせられた。サスペンスと書いてあったけど思った内容では全くなかった。




たは@taha2026年1月3日読み終わったどんな人生を歩んだらこんな本書けるんだろう。 自分の生活がいかに恵まれているかを嫌なほど見せられた。 黄色に執着していく主人公の狂気、正しさを教えてくれる大人がいない中で生きていく少女たちの生活、そしてその後の人生がしんどくなるほど丁寧に描かれていた。


- ぱぴこ@papico8112025年12月30日出自や生きてきた環境からくる、自分の力ではどうしようもないもの(帯コメントでも引用されている「あんたが貧乏だったこと、あんたに金がなかったことに、何か理由がある?」) に押し流されていく人びとを詳細に描いたすごみのある作品だと思った


manu@hon71772025年12月28日読み終わった@ 自宅しんどかった ただ一生懸命働いて稼ぎ笑って生きようとしているだけなはずなのにどんどん『普通』から逸れていくし、取りこぼされてしまう。どうすれば、どこが違えばその選択にならずに済んだのかなと考えてしまう。こういう生きづらさを抱えているひとたちが実際いるんだろうし、それを感じることもきつかった。 序盤と終盤では読んでいて感じる温度や色彩があまりに違いすぎるし、黄美子さんへの印象もかなり変わってしまった。 読み終えてからもう一度第一章を読み返した。そこの印象もかなり変わった。








本運んでいるだけ@yuriakaneda2025年11月27日読み終わった苦しいが、ページを捲りたい。が、息が苦しい。胸が締め付けられる。胸がずっと、ずっとずっとずっと、ずぅーっと、つらかった。花が幸せになればなるほど(と思い込めば思い込むほど)、がんばればがんばるほど、どんどんと、つらい。まともに生きることに資格が、ないようにみせかけているこの世界で、完全にまともさには資格があるのだ。彼女の生きたいという気持ち、お金しか、頼ることがないという気持ちを誰が責めることができようか。そして、2025年で、花のような状態にあっている人に対して、社会に対して、私は何ができるのか、ずっとずっとずっと考えていきたい。考えなくては。考えるだけでなくて、なにかしなくては。しかし、本当に、こうした状態にある人に、社会は、政治は、個人は、隣人は、なにができるんだろうか。ガラガラといろんなことが降ってくる。



iram iram@booklover02142025年11月5日読んでる読み終わった15歳の花と、40代の黄美子さん。助けてくれた、おとなに見えたその人がそうではなかった。ちょっとした幸福や高揚感があっても、抜け出したようにみえて抜け出せない苦境が滲むように広がって物語を覆い尽くす。


ぴよみ@erim_05212025年9月22日買った読み終わった★★★⭐︎⭐︎ 主人公たちがただ懸命に生きているだけ。ただ懸命に生きすぎるあまり手段を選ばなくなる彼女たちの姿が読んでいて辛かった。そしてどんどん追い詰められていく際に抱く感情が痛いほど伝わり苦しかった。 ノワール小説は、私にとっては現実離れしすぎててちょっと苦手かも。
oto@sakana__books2025年6月23日読み終わった昨年読み始めて途中で止まっていた作品をやっと最後まで。 続きが気になってページを捲るのが止められず数日間寝不足になってしまった。 主人公の報われなさが苦しくてしょうがなかった。 特に終盤にかけてだんだんと歯車が狂って、幸運なはずの黄色い家が音を立てて崩れていく様には、今まで自分が見てきたものはなんだったのだろうかと絶望した。 20年後を描いたラストの着地の仕方は圧巻だった。 キーパーソンの黄美子さんの人物像もはじめとおわりでだいぶ違って感じて、改めて読み返すとまた違った発見がありそう。 川上さんの書く文章の振れ幅半端ないって…







ぺらるどん@Peraldon2025年6月11日読み終わった考えさせられた。普通から取りこぼされることの恐ろしさ。 帯の「金に狂い、罪を犯す」ってのはミスリードだと思う。金も罪も、この物語の本質じゃない。





おもち@omochi____s2025年4月27日読み終わった十代の少女たちとシノギの世界のお話。ひたすらに苦しくて主人公の焦りや不安がリアルに伝わってきて苦しかった。努力だけではどうにもならないこともあるという絶望感にコテンパンにやられる。かなり消耗するので気持ち強い時に読むことをオススメする。





Whim@whim2025年4月18日読み終わった年度末忙しくてようやく読み終えました! 家庭環境に恵まれなかった女の子が、街で出会ったお姉さんと家出してスナックを開き、次第に生活のために良からぬことに手を染めていく… 純粋でしっかりものだった主人公が変わっていく流れがとってもしんどかったです…

れもん@hon-yomi12072025年4月4日読み終わった最後まで重く苦しい内容の本だったのに、どんどん先を読み進めたくなる本だった。 ストーリーの中の歯車が一つでも欠けていたら花やきみこさんはもっとまともに生きられたんじゃないか…とifばかり考えてしまう。

みう@miu2025年3月18日かつて読んだ闇バイトをする側の話。 犯罪はダメなことは当たり前。ただ、この本を読むとダメだけど他に救う方法はあるのかとグルグル。 大人に守られず、教育を受けてこなかった環境で育つと、大人になっても搾取されてしまう。社会問題がを解決するのは難しい理由が詰まっていると思った。


おかん@okan2025年3月10日読み終わった終盤は胸の左側がズキズキしてた。人間が、気づけば金のための動き、働き、行動していく様があまりにも残酷で、側から見たら惨めに、でも彼女たちは懸命に、必死に描写されていて、本当に生々しかった。人生万一の教本になればいいな

夏しい子@natusiiko2025年3月7日かつて読んだ凄かった。 途中からグイグイ引き込まれた。 何度、花に対して「バカ!」と思いながら読んだ事か。 読み終わったら、一章を読み返したくなるよね。 ああ、でも他人事とは思えない。 ちょっとボタンを掛け違えていたら私の人生も花や花の関わった世界に足を突っ込んでいたかもしれない。 だからこそドキドキする。そして今もどこかでギリギリのところで、もがいている女の子たちがいるのかもしれないと思うと、どうにかしてそういう子たちに出会って「こっちにおいで」と手を引っ張り上げたくなる。


彩@Alice2025年2月26日読み終わった最近闇バイトがニュースになっているが、この本を読んでお金に困らず、お金に執着することなく生きてこられた自分は恵まれているのだと改めて感じた。ダンボールに入っているお金を一枚一枚数え、お金を奪おうとした友人を殺しかけるほどの執着、私には無い。自分が無くなるほどここまでお金に執着せざるをえなかった花の半生を思うと苦しくなった

Satomi@satomiww2024年11月15日買った読み終わった読了後、どうしようもなく胸が痛くなる作品だった。 「孤独」と「金」は、人間の人生を容易く壊して、狂わせてしまう。愛情に飢え、貧困に苦しみ、心にも生活にも余裕がない少女の目の前に現れた「救い」はどれだけ輝いて見えたのだろう。例えそれが良識を欠く行動と理解していても(あるいはそれすらも思考することができないとしても)、縋りついてしまいたくなるのは当然だと思う。 現代社会において、金を稼ぐことは生きることと同義だと思っているけれど。花のように、大切な人を、居場所を守るために必死に稼いだ金がいつの間にか彼女自身を苦しめて、自分の居場所が壊れていく様を見ているのは、あまりにも苦しかった。 小説はフィクションだけれど、金を稼がなければ衣食住も教育も満足に受けられず、それ故に犯罪に手を染めるしかない人は現実世界にもたくさんいる。決して優しい結末ではないけれど、「現実と自分に向き合う努力をしなければ、誰もが彼女達に成り得る可能性がある」と筆者から言われているような気がして、これからの人生も周囲の人に誠実に生きていこうと改めて考えさせられた。

ぱるすぴこ@k07110622024年2月19日読み終わった花という少女が黄美子という女と出会い 人生がどんどん変化する一人称視点の話 貧乏でだらしない母との二人暮らしから自立して金を貯めることにハマりだす花 夢の為に金が必要な花は犯罪に手を出す 生きることに必死なだけだった 不遇な運命や恵まれない環境に振り回され、自分自身を追い詰め、気がつけば大切な人を傷つけて なんとも言えない読後感、、
紗世@uchidasayo2023年4月2日読み終わった川上未映子『黄色い家』面白い。5日間で一気に読んだ。 主人公伊藤花は女子高校生。東村山の文化住宅に母親と暮らす。花は貧乏で友達もおらずファミレスのバイトに励みお金を貯め家をでる目標があったがトラブルで崩れ徐々に人生の方向を狂わせていく。 花が貧乏なのは花自身のせいではなかった。世の中には金持ちと貧乏人がいて、金持ちは自分の努力なんかではなく親やその親の、もっと前から金持ちで恵まれている。花に一体何の責任があるのか。ヤングケアラー、親に関心を持たれない子ども。貧乏なせいでクラスメイトからは疎まれる。社会に居場所がない。そんな花が一筋の光を見た時、それに向かって突き進むのは当然である。自分も「普通に」生きたい。その日暮らしの人間が子供を産むべきではなかった、貧乏な同級生を笑ってはいけません、高校を辞めないで卒業するべきだ。どれも一般論で花には空論でしかない。 花はするすると犯罪に手を染めていく。大人達が子供を騙すのなんて容易い。花は本来弱者を騙し搾取する側を恨んでいたはずだった。しかし周りに止めてくれる人はいないどころか、自分が立ち上がらなければいけない現実に足を掴まれていた。だってーー口座から何十万減っても気付かないようなお気楽に暮らす奴からいくらか貰ったところで何が問題なのだろう。そうするしかない。そうしなければ生きていけないのにモラルなんて。 ヴィヴとヨンスも犯罪者だ。ヨンスは花に「金の成る木だと人に思われるな」と釘を刺すが、その実ヨンス自身も花を利用していく。花が安易にヴィヴに自らの生い立ちを話したとき、ヨンスの言葉を忘れたのか?絶対そんなこと言っちゃだめだと読者は思うが、花に忠告してくれる人はいない。だから金の成る木となる。一方、誰よりも2人は花の味方でもあった。だって花は2人がいなければ暮らしていけないのだから。利用し、利用され、でも目標は同じ。真面目で責任感の強い花が仕事に誇りを持つのも自然な流れだ。 花は母のケアラーとしての役割を脱したはずだが、代わりに黄美子を守ってやる。蘭と桃子も花に寄りかかる。重心がズレ、子供には抱えきれない負担が黄色い家を壊す。花が道を間違えていることがこちらには分かる。絶対仲間を増やしちゃだめだ。このことは誰にも言っちゃいけなかった。本当に相手を信用できる?だから壊れたときもそうなると思ってた。ヴィヴだって分かってたはずだ。シャボン玉がはじけるまで何秒持つか、それくらいの短い刹那的な価値しかない。誰が何を責められるだろう。家があり親がおり食べるものに困らないような人間が彼らの何を分かるだろう。自分のお小遣い欲しさに悪知恵をつけて犯罪をしているわけじゃない。 仮に定職について暮らすことが普通だとしたら、定職につけなかったのは花のせいではない。普通に暮らして普通に就職できる人と同じように花にとっての普通が犯罪だった。善悪の判断ができない。それは生まれ持った知能のせいかもしれないし環境のせいかもしれない。人と関係を上手く築けないのも経験値の低さゆえかもしれない。そもそも善悪とは何なのか自分にも分からない。犯罪に手を染めず生きる方法があるなら花だってそうしただろう。詐欺で大金を得るなんてと蔑んだって馬鹿にしたって良いけれど、この物語が自分の話だったかもしれないことを、まざまざと突きつけられる思いがした。


黒井 岬@caperoy2023年3月13日かつて読んだ豪速球で読んでしまった思い出。知っている人たちのことが書いてある気がしてずっと空恐ろしい 人生に翻弄されて生きてきた人に、あなたにも力があるのだよ、実はあったのだよと、責任と尊厳とが手渡される。刺すことと励ますことが一体のような愛ある作品。- 村崎@mrskntk2023年3月4日母とふたり貧しい暮らしをしてきた花、そこへとつぜん母の知り合いだという黄美子さんがやってきて、一緒に過ごすことが多くなる。そのうちふたりは家を出てスナックをはじめて共同生活をするようになる。 花だけではなく、行き場のない少女たちが生きていくために、お金を得るために犯罪に手を染め、少しずつ「まともな世界」から遠ざかっていく。急に突き落とされるのではなく徐々に下降していく様が「しかたがない、こうするしかない」と否が応でも思わせた。だけど「まともな世界」にいなくても輝かしい時間はある、花がときたま目に移す夕方の景色や「アンメルツヨコヨコ」というワードだけでげらげら笑える時間。ノワール、クライムサスペンスでありながら、彼女たちのいろんな色がまざった「青春」も描かれているのです。


ぼびお@bobby_151900年1月1日読み終わったかつて読んだ閉鎖空間、所属、承認、共依存、 確かに重い、けど自分が同じ境遇だったら? "選択肢が無い(選択肢を認知できない)とはどういうことか" の一例と向き合う物語

ふゆう@pm16m1900年1月1日買った読み終わった主人公の心情にハマりやすい分、読んでいてしんどいシーンが多かった…。 10代後半〜20歳って、最高に楽しい思い出を作った場所と仲間をいつまでも自分に繋ぎ止めておきたくて、それぞれの気持ちが離れていって「もうあの時みたいな時間を過ごすことは絶対にできない」って頭の中では分かっていても、どうしてもキラキラした思い出に縋っちゃう弱さがあったなぁって花と同年代だった頃の自分を思い出して苦しかった。






























































































































































































































