黄色い家

87件の記録
- おもち@omochi____s2025年4月27日読み終わった十代の少女たちとシノギの世界のお話。ひたすらに苦しくて主人公の焦りや不安がリアルに伝わってきて苦しかった。努力だけではどうにもならないこともあるという絶望感にコテンパンにやられる。かなり消耗するので気持ち強い時に読むことをオススメする。
- nami@sun_jbm2025年4月26日読み終わった危ういバランスで成り立っていた女4人の生活。前半の希望に溢れた雰囲気が嘘のように、後半はひたすら苦しい展開が続く。犯罪が良くないことなんて分かってる。それでも、もし私が花の状況に陥ったとしたら、法に触れずに正しい行動ができただろうか、と考えてしまった。
- Whim@whim2025年4月18日読み終わった年度末忙しくてようやく読み終えました! 家庭環境に恵まれなかった女の子が、街で出会ったお姉さんと家出してスナックを開き、次第に生活のために良からぬことに手を染めていく… 純粋でしっかりものだった主人公が変わっていく流れがとってもしんどかったです…
- れもん@hon-yomi12072025年4月4日読み終わった最後まで重く苦しい内容の本だったのに、どんどん先を読み進めたくなる本だった。 ストーリーの中の歯車が一つでも欠けていたら花やきみこさんはもっとまともに生きられたんじゃないか…とifばかり考えてしまう。
- みう@miu2025年3月18日かつて読んだ闇バイトをする側の話。 犯罪はダメなことは当たり前。ただ、この本を読むとダメだけど他に救う方法はあるのかとグルグル。 大人に守られず、教育を受けてこなかった環境で育つと、大人になっても搾取されてしまう。社会問題がを解決するのは難しい理由が詰まっていると思った。
- おかん@okan2025年3月10日読み終わった終盤は胸の左側がズキズキしてた。人間が、気づけば金のための動き、働き、行動していく様があまりにも残酷で、側から見たら惨めに、でも彼女たちは懸命に、必死に描写されていて、本当に生々しかった。人生万一の教本になればいいな
- 夏しい子@natusiiko2025年3月7日かつて読んだ凄かった。 途中からグイグイ引き込まれた。 何度、花に対して「バカ!」と思いながら読んだ事か。 読み終わったら、一章を読み返したくなるよね。 ああ、でも他人事とは思えない。 ちょっとボタンを掛け違えていたら私の人生も花や花の関わった世界に足を突っ込んでいたかもしれない。 だからこそドキドキする。そして今もどこかでギリギリのところで、もがいている女の子たちがいるのかもしれないと思うと、どうにかしてそういう子たちに出会って「こっちにおいで」と手を引っ張り上げたくなる。
- 彩@Alice2025年2月26日読み終わった最近闇バイトがニュースになっているが、この本を読んでお金に困らず、お金に執着することなく生きてこられた自分は恵まれているのだと改めて感じた。ダンボールに入っているお金を一枚一枚数え、お金を奪おうとした友人を殺しかけるほどの執着、私には無い。自分が無くなるほどここまでお金に執着せざるをえなかった花の半生を思うと苦しくなった
- 内田紗世@uchidasayo2023年4月2日読み終わった川上未映子『黄色い家』面白い。5日間で一気に読んだ。 主人公伊藤花は女子高校生。東村山の文化住宅に母親と暮らす。花は貧乏で友達もおらずファミレスのバイトに励みお金を貯め家をでる目標があったがトラブルで崩れ徐々に人生の方向を狂わせていく。 花が貧乏なのは花自身のせいではなかった。世の中には金持ちと貧乏人がいて、金持ちは自分の努力なんかではなく親やその親の、もっと前から金持ちで恵まれている。花に一体何の責任があるのか。ヤングケアラー、親に関心を持たれない子ども。貧乏なせいでクラスメイトからは疎まれる。社会に居場所がない。そんな花が一筋の光を見た時、それに向かって突き進むのは当然である。自分も「普通に」生きたい。その日暮らしの人間が子供を産むべきではなかった、貧乏な同級生を笑ってはいけません、高校を辞めないで卒業するべきだ。どれも一般論で花には空論でしかない。 花はするすると犯罪に手を染めていく。大人達が子供を騙すのなんて容易い。花は本来弱者を騙し搾取する側を恨んでいたはずだった。しかし周りに止めてくれる人はいないどころか、自分が立ち上がらなければいけない現実に足を掴まれていた。だってーー口座から何十万減っても気付かないようなお気楽に暮らす奴からいくらか貰ったところで何が問題なのだろう。そうするしかない。そうしなければ生きていけないのにモラルなんて。 ヴィヴとヨンスも犯罪者だ。ヨンスは花に「金の成る木だと人に思われるな」と釘を刺すが、その実ヨンス自身も花を利用していく。花が安易にヴィヴに自らの生い立ちを話したとき、ヨンスの言葉を忘れたのか?絶対そんなこと言っちゃだめだと読者は思うが、花に忠告してくれる人はいない。だから金の成る木となる。一方、誰よりも2人は花の味方でもあった。だって花は2人がいなければ暮らしていけないのだから。利用し、利用され、でも目標は同じ。真面目で責任感の強い花が仕事に誇りを持つのも自然な流れだ。 花は母のケアラーとしての役割を脱したはずだが、代わりに黄美子を守ってやる。蘭と桃子も花に寄りかかる。重心がズレ、子供には抱えきれない負担が黄色い家を壊す。花が道を間違えていることがこちらには分かる。絶対仲間を増やしちゃだめだ。このことは誰にも言っちゃいけなかった。本当に相手を信用できる?だから壊れたときもそうなると思ってた。ヴィヴだって分かってたはずだ。シャボン玉がはじけるまで何秒持つか、それくらいの短い刹那的な価値しかない。誰が何を責められるだろう。家があり親がおり食べるものに困らないような人間が彼らの何を分かるだろう。自分のお小遣い欲しさに悪知恵をつけて犯罪をしているわけじゃない。 仮に定職について暮らすことが普通だとしたら、定職につけなかったのは花のせいではない。普通に暮らして普通に就職できる人と同じように花にとっての普通が犯罪だった。善悪の判断ができない。それは生まれ持った知能のせいかもしれないし環境のせいかもしれない。人と関係を上手く築けないのも経験値の低さゆえかもしれない。そもそも善悪とは何なのか自分にも分からない。犯罪に手を染めず生きる方法があるなら花だってそうしただろう。詐欺で大金を得るなんてと蔑んだって馬鹿にしたって良いけれど、この物語が自分の話だったかもしれないことを、まざまざと突きつけられる思いがした。
- 黒井 岬@caperoy2023年3月13日かつて読んだ豪速球で読んでしまった思い出。知っている人たちのことが書いてある気がしてずっと空恐ろしい 人生に翻弄されて生きてきた人に、あなたにも力があるのだよ、実はあったのだよと、責任と尊厳とが手渡される。刺すことと励ますことが一体のような愛ある作品。
- 村崎@mrskntk2023年3月4日母とふたり貧しい暮らしをしてきた花、そこへとつぜん母の知り合いだという黄美子さんがやってきて、一緒に過ごすことが多くなる。そのうちふたりは家を出てスナックをはじめて共同生活をするようになる。 花だけではなく、行き場のない少女たちが生きていくために、お金を得るために犯罪に手を染め、少しずつ「まともな世界」から遠ざかっていく。急に突き落とされるのではなく徐々に下降していく様が「しかたがない、こうするしかない」と否が応でも思わせた。だけど「まともな世界」にいなくても輝かしい時間はある、花がときたま目に移す夕方の景色や「アンメルツヨコヨコ」というワードだけでげらげら笑える時間。ノワール、クライムサスペンスでありながら、彼女たちのいろんな色がまざった「青春」も描かれているのです。