𝑟 "殺人鬼 --覚醒篇" 2025年11月29日

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@mefmjxu_
2025年11月29日
殺人鬼 --覚醒篇
「(色んな意味で)物凄い作品を手に取ってしまった」。 これが序盤〜終盤まで感じ続けた感想だ。綾辻氏の作品は館シリーズをはじめ少々齧っており、あらすじを読んだ限り自分の嗜好に合致している事と文章の読み易さで迷いなく購入した記憶がある。 グロ・ゴア描写は自分なりに耐性があると自負していたが、本作はそれを上回る描写の数々で序盤はサクサク読んでいたものの、中盤辺りから何度か読む手を止めたり嗚咽感を感じたりと今まで読書をしてきた中で体験したことのない嫌悪感を感じた(スプラッタ系なので感じない方がおかしいが)。 あとがきにて綾辻氏は「残虐描写という点ではそこまでたいそうな代物でもない」と仰られていたが、声を大にして言いたい。そんなことはない、と。 残虐描写にばかり目と意識が持っていかれてたせいで肝心のミステリー部分を失念しかけていたが、終盤付近で「あれ?着ていた服の色違くね?」・「コンタクト?眼鏡じゃなくて?」等不審に思う点や頭部を切断する犯行を必ず行なっていたので兄弟すり替え殺人みたいな何かと薄ら感じるものはあった。 TCメンバーズ(ツインズクラブ)や二人一役トリックは流石に分からなかった。思い返せば、茜由美子(妹)が発する言葉を鉤括弧で記した後に丸括弧で同じ言葉が繰り返されたり、キャンプファイヤーの時にシンパシー云々の話をしたりと探せばこれでもかとポンポン出てくる。ただ、殺された人物を順にペアリングしていってもどうしても1人足りない。片方の山では生きているのだがもう片方の山では同じ苗字の兄弟は殺されてしまっている。これが一番悩まされた箇所であった。 犯人は二人。B児グループ(弟妹側)にいた殺人鬼は正真正銘の殺人鬼で、A児グループ(兄姉側)はBで殺人鬼に殺された弟の叫びに混じった波動と殺人鬼の波動が兄と共鳴してしまい憑依されてしまったという解釈だと思う。そんな事はないと言われてしまったらそれまでだが、自分は超常ホラーは割と好きなので許容できた。 本格ミステリー作家のホラーである本作。ミステリーとホラーのいいとこ取りをしたと言ってもいいと思う。異能力や超常現象、スプラッタ系が苦手でなければ楽しめるはず。 再読をすると双子が別々の場所で同じような言動をしているというトリックを感じられるだろう。 続編もあるので心が元気な時に挑みたいと思う。
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