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@iharagaku
2026年7月15日
中上健次 路地のビジョン
渡邊英理
読み終わった
中上健次がこの先も読み継がれていくために、こういう視点で語ってくれる人がいることをありがたく思う。
また、個人的に実作について考えるべきことを振り返って整理する良い機会にもなった。
以下、個人的関心メモ
・「「岬」発表時には、路地が被差別部落であることは明示されてはいない。しかし、「岬」は、被差別部落をモデルに創造された路地という空間を舞台とする家族物語として読むことができる。この点で「岬」は、日本語のことの葉の記憶、近代日本文学の伝統に批評的に介入する言葉の連なりだ。日本語のことの葉(言の葉・事の葉)の歴史のなかで最初期の家族物語は、天皇の一族の物語である。『古事記』『日本書紀』は、神代から律令時代まで、この国の統治者としての天皇の一族の歴史を紡ぐ。歴史として文字で記されてきた天皇家の家族物語に対し、「岬」が語るのは、文字の歴史から零れ落ち、文字に残されてこなかった被差別民たちの一族の記憶である。」
・「小説から遠く離れて」が手元になくて正確に引けないけど、そこで蓮實が中上を「ゴダールに接近している」と評した理由をここ数年考え続けていて、本書でも言及のあった「反物語」的な視点が、やはりそれだという認識で良いのだろうか? 物語は差別を内包する?
・「複雑に入り組み偶発的な運動性に満ちた言葉の草原は、常に自らを裏切る可能性を抱えた言葉の表現と、表現できないものへ手を伸ばし届かせようとする言葉の不屈の表現を形にしている。これは、小説そのものへの自己言及でもある。」
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