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2026年7月15日
44 小田イ輔怪異聞集
小田イ輔
表題作の「44」と別視点で語られるその前日譚となる「1」。そこで作者と読者に「共有」される、怪異体験をキッカケにして、今まで信じていた世界と認知が決定的にズレてしまう、信じられなくなったズレた世界で、それでも生きていかなくてはならないという苦痛と恐怖。しかもそのキッカケが、怪異体験に限らず「その辺に無数にある」ものなのだと言われてしまえば、もうこの世界で生きること自体が不安で怖くなってしまうじゃないか!という話だった。
さらにここで
「様々な人と出会い、それぞれが体験した怪異を収集していくと、日常の感覚がおかしくなる。自分自身がこれまで生きて学習してきた“常識”や”枠組み”といったものが酷く偏ったものなのではないかという懸念を覚え始める。」
——『厭怪談』「マナアナ 一」
という以前読んだ作家の言葉も思い出してしまえば、その収集された様々な人が体験した怪異を読むことでも、「日常の感覚がおかしくなる」はずだし、怪談実話を読むことも「その辺に無数にある」キッカケのひとつになり得てしまうではないか、と考え始めてしまえば、めちゃくちゃ怖いんですけど。でもこの本は名作だからもう三回読んでるんですけど。




