Sanae "傷を愛せるか" 2026年7月16日

Sanae
Sanae
@sanaemizushima
2026年7月16日
傷を愛せるか
傷を愛せるか
宮地尚子
とても読み心地の良い本だった。トラウマや DV被害についての著書が多い精神科医の宮地先生のエッセイ本。 さらりと大切なことをおっしゃるのが私には心地良かったのかなと思う。 「なにもできなくても、見ていなければならない。目を凝らして、一部始終を見届けなければいけない。)(p9) 「『エンパワメント』とは、その人が本来もっている力を思い出し、よみがえらせ、発揮することであって、だれかが外から力を与えることではない。けれども、忘れていた力を思い出し、自分をもう一度信じてみるためには、周囲の人々とのつながりが欠かせない。」(p45) 「実際の命綱やガードレールがどんなに頼りなくても、人はなにかが、もしくはだれかかが、自分の安全を守ろうとしてくれていると感じるときにのみ、人として生きられる。」(p51) 「日本にも強く波及しつつある、米国のネオリベラリズムが危険なのは、弱みにつけ込むことがビジネスの秘訣として称賛されることで、弱さをそのまま尊重する文化を壊してしまうからだとわたしは思う。そして医療をビジネスモデルで捉えるのが危険なのは、病いや傷を負った人の弱みにつけ込むことほど簡単なことはないからである。」(p104) 「記憶は当てにならず、認知は先入観に拘束され、思考は感情に左右され、行動には無駄が多い。ただ、だからこそ、機械にない複雑な思想や、深い洞察が人間から生まれるのだともいえる。」(p130) こういったことを医師の立場から述べてくださるのは心強く思う。 いつも以上に抜粋が多くなったけれど、共感するところの多い素敵な本だった。
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