
海底
@kaitei
2026年7月15日

ホリー・ガーデン
江國香織
読み終わった
光の当たったビーズのきらきらした部分を、空気に散りばめるみたいに生活が美しく描かれていく。
進んでいくストーリーの中で、特段心情が大きく動いたりはしないのに、一つの章が終わる頃には袋小路に追い詰められた気分になる。いちいちなんだか居心地が悪い。心情の息苦しさと生活の描写の美しさとのアンバランスさが、江國香織〜となる。
既婚者との恋愛関係の破綻を描く上で、「妻にバレたから別れよう」というパターンよりも、さらにずっと傷付くことがあるとは思わなかった。
それ以上の残酷さは私には思い付かなかった。
人の心ってこんな踏み躙り方も出来るんだと思った。
映画ミストを見た時の感想に近い。
あれも化け物に食い殺されるより、上をいく最悪があるとは夢にも思わなかった。
私は既婚なのにふらふらしている男には1mmもセクシーさを感じないけれど、「あらゆる仕事がアートだし、それが日常に近ければ近いほど、祝福されたアートだろう」は作中で一番好きな台詞だった。








