
カササギ
@Kasadagi_shobo
2026年7月16日
雪の如く山の如く
張天翼,
濱田麻矢
読んでる
読書日記
一部読了
短篇集
p.312- 訳者解説より抜粋
『雪の如く山の如く』は張天翼『如雪如山』(人民文学出版社、二〇二二年)所収の七篇のうち、六篇を翻訳した短篇集
張天翼は一九ハ〇年代半ばの生まれで、現在は北京在住
平凡な名の平凡な女性のありふれた、しかしのっぴきならない苦境を描いたという意味では、韓国のチョ・ナムジュ著の大ベストセラー、『82年生まれ、キム・ジヨン』に通じる
「ただ座りたいだけなのに(我只想坐下)」は『十月』二〇二〇年第二期掲載。
「床の上の血(地上的血』」は『小説界』二〇一八年第二期に掲載。
「スイマー(泳客)」の初出は『小説界』二〇二〇年第五期、『ある種の愛の記録』と題した恋愛特集号だった。つまり本作は…(略)…愛の物語として構想されたものである。
*…*…*
「スイマー」まで読了。
遊水館(プール)もひとりの登場人物のようだ
冒頭から数ページをかけて丁寧にその外観と内部の間取り、そしてそこで働く人について描写されていく、著者が物語が生まれる空間について筆を割くのはその後必ず意味を持ってくるからだということはわかってきた。物言わぬものについて予め細かく描写されていたことが、需要な小道具として、後になって意味を見出されることが多いのだ。部屋の内部であれば本棚や箪笥、ベッドの綿のシーツでさえ、後からそういうことだったのか、と思わせる描写が一つ前の短篇にはあった。今回は、働く人であれば、家と職場ともう一つの場、サードプレイスなんて今は言われているような空間としてのプールが、物語の舞台。中国のプールってどんな感じだろう、私は読みながら幼い頃に、祖母宅の近くにあって夏休みによく通った古い市民プールを思い描きながら読んだ。
映画にするならこの物語が向いていそう
中心となる人物の心情にもあまり入り込まない、カメラがずっと後を追ってくるような客観的な描写が多いように思う。仕事ができてドライで現代的な雰囲気のリーリーだが、あたたかみのあるラストシーンをむかえたあと振り返ってみると、プールにやってくる人やそこで働く人への彼女の視線は、優しいものだったのだなと気付かされる。訳者解説にこの物語の補足があって、とても楽しませてもらえる。うん、やっぱりこれは映像化してもらいたい良作。建築映画のようにプールを主役にして、ここに集う人たちの人間模様を描く、少しビターだけど、ほっこりできる物語に誰か仕上げてくれないかな。








