
はぴ
@happy-reads
2026年7月17日
イラク水滸伝
高野秀行
読み終わった
分厚い大冒険だったぜ…🚣✨
トラブルに次ぐトラブル、未知との遭遇、濃ゆすぎる登場人物…なにより語り口が、おもしろいったらありゃしない🤣
水滸伝の本家は読んだことないんだけど、それに重ねて表現されるメンバー紹介もまた愉快。まさに、イラク水滸伝。
🚣
『イラクの人たちは本当に話好きだ。ギルガメシュ叙事詩の洪水伝説によると、シュメールの神々は「人間(の声や音)がうるさい」という理由で人類を滅ぼそうとしたという。ひどい話だが、イラクの男たちを見ていると神々の気持ちもわからなくはない。』
🚣
そもそも湿地帯が古今東西、レジスタンス集うアナーキーな場として存在していた(そして今も存在している)ってことに驚き。
世界最古の文明が興ったとき、その権力から逃れるための世界もまた同時に生まれた。とはいえ単純に「反」文明ってわけじゃないところも読み進めるうちに見えて来ておもしろい。
🚣
湿地帯の環境の豊かさも、読みながら光景を思い浮かべてうっとり。YouTubeで白人旅人たちが動画上げてたりするけど、この旅の途中でもそんな旅人もまた出てくる。
『「そうやな」と隊長も言う。
「この人たちはええ顔してるよ。自然の中で自分の力で生きている人の顔やな。この人たちは、みんな、目に見える範囲のもので生活してるよな。水、葦、水牛、魚、蒲の穂。そこが町の人というか、文明の人たちとちがう」
たしかに。文明側の人は目に見えないほど遠くにある物を必要とする。シュメールの昔からそうだ。千キロ以上も離れたレバノンから木材を調達し、現在のイランやインドから金属や貴重な石を仕入れた。そういうものがないと生活が成り立たなかった。現在はさらに遠方と取り引きし、資源や工業製品や食料を輸出入している。』
『全くそのとおりだ。世界中探してもここほど長く持続している生活形態はないかもしれない。
シュメールやアッカド、バビロニアなどの文明は高く栄えては滅び、今はもうない。マアダンの人々は一度も栄えたことはないが、滅びることもない。彼らがシュメールの遺産を今の時代に伝えているというのは彼らの生活が持続可能であった何よりの証拠だ。』
🚣
辺境各地を旅する著者のコミュニケーション論に納得。‥と思ったら、『語学の天才まで一億光年」の人だった!!
タイトルだけ気になってたけど、今度こっちも読んでみよう。
『一般に、語学力は個人の能力だと思われている。「英検2級」とか「TOEIC650点」などといった数字がそれを物語る。
しかしそれはちがう。
個人の中にある語学力(私は「絶対語学カ」と呼んでいる)は半分ぐらいだ。あとの半分は「相対的語学力」であり、相手との関係性による。
コミュニケーションは自分一人では成立しない。相手との共同作業なのだ。相手が自分に興味があるかどうか、親しい間柄かどうか、互いの文化背景を知っているかなどで通じ方は大きく変わってくる。そして、相対的語学力はコツさえつかめれば、短期間でグッと上げることができる。』





