
ぬ井(3匹のペンギン文庫)
@omomochiroom
2025年3月28日

メルカトル
長野まゆみ
読み終わった
"地図や書物のほとんどは、十年に一度あるかないかという出番を待ちつつ、壁面の一部となっていた。背を飾る金箔押しも、はがれ落ちるままになっている。閲覧台で書物をひろげる人の手もとに、ときおりはらはらと黄金の雨が降った。"
架空の街に、一癖も二癖もある登場人物が次々に現れる。建物や服飾、食べ物などディティールの描写もわくわくする。特に序盤の、主人公が働く地図収集館の描写は何度も読み返したくなる美しさ。



