

ぬ井(3匹のペンギン文庫)
@omomochiroom
たまに一箱古本市に出てます
- 2025年7月6日ショートショートドロップス (角川文庫)三浦しをん,上田早夕里,図子慧,堀真潮,宮部みゆき,恩田陸,新井素子,新津きよみ,村田沙耶香,松崎有理,皆川博子,矢崎存美,萩尾望都,辻村深月,高野史緒読み終わった女性作家による掌編集。どれもサクッと読めて面白い!きれいにオチがある話が多いなかで皆川博子「断章」があったり、ほどよい幅広さが嬉しい。 最近あまり時間がないけど、スキマ時間で満足度の高い読書ができた。ありがたし。
- 2025年7月1日デカルコマニア(1)長野まゆみ読み終わった幾重ものタイムトラベルでメビウスの輪のようにねじれた家系図をたどる物語。 歪み真珠に飾り文字。占い小屋と奇術。過剰装飾の灯台やお菓子。未来なのにバロックな香りがしてたまらない。 あまりに複雑な相関図に翻弄されつつ、海辺が舞台なのでどこか爽やか。
- 2025年6月21日居心地の悪い部屋岸本佐知子読み終わった何が飛び出すかわからないし、読み終えても何だったのかわからない12の物語。 不安、不穏、不吉、不条理…不の玉手箱のよう。すべて掌編と呼べる短さなので読みやすい。読みやすいけど永遠にわからない。
- 2025年6月7日100分間で楽しむ名作小説 夜市恒川光太郎読み終わったストーリーがきれいにまとまっていて完成度が素晴らしいのだけど、夜市のあやしい雰囲気が楽しくて、この描写をもっと読んでいたいとも思ってしまった。ほの暗くどこかノスタルジックなのが良いな。
- 2025年6月7日合田佐和子コロナ・ブックス編集部読み終わった四谷シモン「人形作家」に出てくる合田佐和子さん。そういえば詳しく知らないなと思い、この本を読んでみた。オブジェも写真も素敵だけど特に絵画作品がめちゃくちゃ好み。少女性と反男性原理。何で今まで追ってなかったんだろう。今後もし回顧展などあればぜひ見たい。
- 2025年6月3日人形作家四谷シモン読み終わったBJDドールをお迎えしたので読んでみた。人形の話が面白いのはもちろん(リーゼント姿の不良だった頃も熱心に人形展に通ったり!)、状況劇場のエピソードは70年代アングラカルチャーの熱気と狂気に満ちていて惹きつけられる。誰にも似てない人生。面白すぎて一気読み。
- 2025年5月28日
- 2025年5月10日初夏ものがたり山尾悠子,酒井駒子読み終わったこの時期にぴったりの物語。4篇ともひと時だけ死者が還ってくるお話だけど、初夏のみずみずしい描写が印象。 日本庭園も洋館もあるお屋敷を舞台に、日本の5月の美しさを描いた「通夜の客」が1番好きかも。山尾作品に出てくる、似たような人たちがわらわらしている描写が好きだな。「ラピスラズリ」「小鳥たち」にも出てくる。 ほかの作品とはずいぶん違って少女小説のような筆致だと思ったらコバルト文庫の収録作品だったんですね。インクルージョンのある鉱物をあらゆる角度から眺めるような気持ちで山尾作品を読んできたけど、この作品は映画を見るようにさらりと読めた。
- 2025年5月8日見晴らし台川野芽生読み終わった10年の中で執筆された評論・エッセイ集。一貫してファンタジーへの信念と怒りが含まれた、言葉に対してどこまでも誠実な文章。山尾悠子さん関連の文章も多く、往復書簡も読めて嬉しい。 装丁もステキ。全てのページが菫色に発光しているみたい。
- 2025年5月5日口笛の上手な白雪姫小川洋子読み終わった世界の片隅でひと知れず何かに執着する人を穏やかに見守るような8つの短編。「亡き王女のための刺繍」が特に好き。手作り子ども服の話なのに、どこか薄暗く不穏なのが良い。
- 2025年5月4日西瓜糖の日々リチャード・ブローティガン,R・ブローティガン,藤本和子読み終わった見たことのない世界の静謐で謎めいた物語を読みたくて手に取った結果、今の気分にぴったりでした。何百もの川、鱒、彫像、光る墓。やさしくて透明感に満ち、つねに死の気配が漂う世界が心地よくて、ずっと読んでいられる。
- 2025年5月3日ももこの宝石物語さくらももこ読み終わったパライバトルマリンに始まり、とにかく宝石を買いまくる。なのに一貫してトホホで笑える筆致なのがすごい。羨望や嫉妬ではなく、宝石っていいな楽しいなと素直に思わせてくれる。この世で他に誰がこんなエッセイを書けるのだろう。
- 2025年5月1日ユリイカ(2025 5(第57巻第6号))みなはむ,ゆっきゅん,iVy,初谷むい,大森靖子,小野絵里華,水沢なお,金井冬樹,須藤はる奈読み終わったDIVA、アイドル、作詞、映画祭主催、ZINE制作などマルチで多彩なゆっきゅんはまるでファセットカットの特大ジュエル。論考を一つ読むたびに異なるきらめきが見えてくる。そして、元気がわいてくる…!何だか私も頑張れそう。(ユリイカで元気になったの初めて)
- 2025年4月27日天球儀文庫 (河出文庫)長野まゆみ読み終わった単行本があと1冊どうしても集まらなくて文庫版を読んだ。友情の捉え方がいいな〜。建物、文房具、玩具、食べ物などのディテールが、これぞ初期長野!で最高。文庫版あとがきでは、このような西洋風のアイテムをなぜ近作では出さなくなったか著者自身が分析しているのも面白かった。
- 2025年4月26日影を買う店皆川博子読み終わった手加減なく好きに執筆したという印象の、濃度の高い幻想短編集。どれも強く惹かれるものの読みこなせない作品もあった。皆川作品にもっと親しんでから再読したい。戦時下の女学校が舞台の「柘榴」が特に好き。
- 2025年4月25日すこやかな服マールコウサカ読み終わった読み始めた途端にフェリシモの炎上(?)を見かけ、結果的にタイムリーな読書となった。誰もが買いやすい価格で上質な服を作ることが無理になった今の日本でのアパレルの最適解がここに。
- 2025年4月25日柴犬二匹でサイクロン大前粟生読み終わった装丁も中身も刺激的!ミクロとマクロ、陰と陽、日常と非日常など相反する要素が隣り合う歌が多く、コントラストが鮮烈。特に好きな3首↓ 戒名を考える日は楽しい日デコトラみたいになってもうてます カプリコの螺旋階段降りるときしあわせ輪廻と鬼ごっこする お互いにワンパンし合う関係で倒れた場所を花園とせよ
- 2025年4月24日倉橋由美子の怪奇掌篇(新潮文庫)倉橋由美子読み終わった華族のように典雅な美男美女でありながらカニバリズムを実践する夫婦が出てくるが、この本自体がそんな印象。 とんでもなくおぞましい内容も、知的な筆致で読みやすくて綴られるので、するりと読めてしまう。口当たりのいい美味な劇物を次々に振る舞われているよう。
- 2025年4月19日無垢なる花たちのためのユートピア川野芽生読み終わった再読。奇想や幻想を通じて現代社会のシステムの歪さを描いているのが面白い。「白昼夢通信」はそこからの脱却を試みた作品かも。 最初に読んだときは難しい部分も多々あったものの、その後に著者の評論やエッセイも読んだので前より理解が少し深まったと思う。それでもまだ掴みきれない部分があるのでまた読みたい。
- 2025年4月12日短篇礼讃: 忘れかけた名品大川渉,小山清読み終わった全集でしか読めないような、あまり知られていない名短編が12篇。名前すら知らなかった作家もいて新鮮。夭逝の作家が多い。 一つ一つの作品の実力に加えて、キュレーションの作用も働いてより面白くなっていると思う。例えば、1作目の小山清「犬の生活」は犬と暮らす喜びを綴った心温まる随筆だけど、後半に並ぶ「猫」と題された阿倍昭、久坂葉子の短編はいずれも狂気を内包していて恐ろしい。凄まじい対比。
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