
サブレとポッポの往復書簡
@snowflake
2026年5月9日
腹を割ったら血が出るだけさ
住野よる
読み終わった
心に残る一節
茜寧はありのままで在りたいと思いつつ、誰からも愛されない自分では価値がないというアンビバレントな自分自身を受容出来ず、希死念慮ともいえるような思いを常に抱き、生きている。それと同時に、内側に閉じ込められたままの本心の自分を、常に演続ける外側の自分から救いだしてくれる存在を常に求めている。
そんな茜寧があいと呼び、自分を救いだしてくれる存在だという逢は、自分は茜寧の求めているあいとは違う存在だと言いつつも、茜寧のことを放ってはおけず、なんだかんだと茜寧のことを気に掛けている。二人を繋ぐ鍵は『少女のマーチ』という劇中作の小説と、同じく劇中設定のアイドルグループの『インパチェンス』。茜寧が常に抱く強烈な自己嫌悪にも共感出来たし、自律的で周囲の視線や反応に込められた感情にも動じず、論理的な決断に基づいて動く。そんな逢のぶれない軸に私も強く憧れるし、そうなりたい!と読んでいて思いました。
あとこの作品に関していうと、他の住野作品を読んでいないと分からない、色々と他の作品とリンクしている設定やキーワードを垣間見れて、いちファンとしてはそういうところに気付くたびに、思わずにんまりしてしまいます。たとえば三歩ちゃん、奈ノ花ちゃん、尻尾の曲がったお友達。あ、『にんまり』って書くと矢野ちゃんが抱くあの感情のことと誤解されるかな💦
あとSNSの『いいね』は付かなくても、竜彬が最後に自分で決めて下した決断は格好良かったと私は思うよ!まあ、イヤなキャラではあったけど、ああいうキャラになってしまった背景には、同情しちゃう思いも正直あります。