
wingfeet
@wingfeet
2026年7月18日
丕緒の鳥 十二国記
小野不由美
読み終わった
これまでの王や麒麟の視点からではなく、官吏や庶民の視点からの物語を四作収録した短編集。非常に渋いが、こういう視点の物語があることで、十二国記の世界の厚みがかなり増している。
特に印象に残ったのが『落照の獄』と『青条の蘭』
前者は現代の死刑を巡る論考そのままの問題が展開され、裁判に携わる官吏の苦悩がひしひし伝わって、読者も共に胃が痛くなるような感じが味わえる。
後者は国全体を蝕みつつある樹木の病の解決策を、何とか中央に届けようとする官吏の苦闘の物語。最初は舞台となっている国の名前が巧妙に隠されている。途中で力尽き、動けなくなった主人公から受け継いだバトンを、市井の人たちがささやかな善意だけで協力して届ける過程で、やっと明かされる「ああ、この国の話だったのか」が超胸熱。






