積読山脈 "教養としての歴史小説" 2026年7月18日

教養としての歴史小説
この著者には祥伝社新書の『書店を守れ!』で出会い、そこで初めて彼が歴史小説家であることを知り、二冊目として手に取ったのがこの本だった。歴史小説が教養になるのかと思ってよく見たら見覚えのある著者名、何かを訴えられているような気がしたのを覚えている。奇妙な経緯で今村翔吾を知った珍しい人間だと思う。 当時はたしか、歴史小説については司馬遼太郎の『項羽と劉邦』を通ったばかりで、文字情報としてしか知らない点在した過去を、ある程度一続きの出来事として追体験できたことが面白かった覚えがある。 その体験も手伝い、今村翔吾は歴史小説を読む沼へと私を引き込むことに見事成功したのだ。近近の”買った“はこの著書で紹介された書籍を多分に含む。 最も共感した部分は、日本人なのに日本の歴史に疎いのは如何なものかという視点、過去の出来事を一般化・抽象化することで現代にも通用する思考や道理を学べること、語彙が鍛えられること、旅行がさらに面白くなることである。 時間対効果などが尤もらしく騒ぎ立てられる現代こそ、生涯に亘る財産となりうる読書と教養に時間を使うことが、最も時間対効果が好いのではないかと彼は言う。同意である。
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