回寅治 "一九八四年(新訳版)" 2026年7月19日

回寅治
回寅治
@Mawari_trahal
2026年7月19日
一九八四年(新訳版)
一九八四年(新訳版)
ジョージ・オーウェル,
高橋和久
部屋を掃除したら大量のホコリをかぶって出てきた。 訳あって中学三年の時まで角川つばさ文庫以外の小説を全く読まなかったが、そんななか初めて手に取った本。きっかけは平沢進の音楽にハマったからで、今となってはなんともいえない恥ずかしさを感じる。結局読破するだけで半年かかったっけ。 途中までの、監視の水面下を泳ぎ切(ったつもりにな)り、さらに束の間の楽しいひとときも過ごしているウィンストンの暮らしを、当時の私は応援しつつなんとなく共感してしまいつつ読んでいた気がする。中学の校則を厳守しながら家や外では割と好き放題していたが、今思えば問題はそうではないと思う。上からの監視の前では上手にやり過ごすという一面に共感していたが、それはあくまで一日の中のたった数時間の話だ。生活の中にまで監視があることとはまるで比べ物にならない。そんなことに気づいたのは拷問のシーンだった。よく考えたら初めからおかしい社会になっているじゃないか、気付くのが遅かったんじゃないか、と驚いたのを覚えている。 今こそ、生活に潜んでくるおかしさを見えるようにするために、目を凝らすために、この本をまた読みたいかも、と思った。内容はいつまでも埃を被らない。だがまずは表紙のホコリを取るところからだ。
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