
いちのべ
@ichinobe3
2026年7月19日
デ・ラ・メア ショートセレクション 運命の時計
デ・ラ・メア,
ヨシタケシンスケ,
金原瑞人
読み終わった
読了。どの話も、セオリー通りには進まず、「そうくる!?」という展開やオチになるのが心地好い驚き。
「鼻」は、ざっくり言えば「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇である」 って話なんだけど、「洗礼式に招待されなかった意地悪な大おばに『息子の鼻はロウでできてる』と告げられる(そして親も子どももそれを信じ込む)」という設定いったい何を食べたら思いつくのか。世間を避けて孤独に生きる様子の豊かさも印象的で、ひょんなことから人生が一変してしまった後の心の動きも、あまりにも思いがけない結末も興味深い。
「どろぼう」は、「デカい屋敷も莫大な富も手にしているが満たされず、幸せになりたがる悪党」という設定が愉快。「なるほど、この女の子と結婚するってわけね」という予想だけが当たり、他は全然思いがけない展開のまま転がって、でも優しい結末を迎える。
「運命の時計」は不思議でうつくしく、切ない寓話。

