ぶんか遺産 "少女は殺人の夢を見る" 2026年7月18日

少女は殺人の夢を見る
読了。  大学サークルの読書会最中に見る夢は、課題本に準えられた謎解きだった......という趣向で、国内外の有名作をモチーフに、別解にチャレンジしたり、構造を抜き出して再利用したりと、なかなか面白い。実作付き評論と少しだけ似た印象を受けた。  ネタバレには極力配慮されているため、オマージュ元を知らなくても問題ない。ただし、綾辻行人『十角館の殺人』だけは流石に読んでおいた方がいいだろう。その方が、原作もこの本も楽しめるはず。 前半は阿津川にありがちな「テクニカルなんだけど強引で面白くない」という感じだったのだけれど、後半にかけてやってることが面白くなってくる。「女死刑囚パズル」は性別を変更して別解に挑戦した意欲作だし、「三階の窓」はシチュエーションを巧みに利用した"フェアなリレー小説"。そして「九角館」は十角館のとある構造を抜き出し、それをうまく活かしていた。 全体的に、元作品や夢と言う舞台を巧みに利用した作品が多かった印象。稚気に溢れるいい本格ミステリだった。
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