
伍エ捫
@Goemon_VS
2026年8月8日

坊っちゃん (集英社文庫)
夏目漱石
読み終わった
教師が主人公とのことで、『3年B組金八先生』や『ごくせん』のような、やんちゃな生徒に立ち向かっていく話かと思いきや、気に入らない同僚を懲らしめる話だった。意外。
主人公の、切れ味の鋭いユーモアたっぷりの皮肉が面白くてすっごい笑った。結構辛辣なことを言っているけど、陰湿さがなくあっさりしているので、全然嫌な気分にならない。とにかく楽しかった。
その時代ならではの表現に触れるたびに新鮮な発見があり、楽しみながら学ばせてもらった。
なんとなく入った物理学校で、それなりに勉強はしていたものの成績は振るわず。
そんな日々を送っていたのに、3年経てば順当に卒業していたことに「自分でもおかしいと思ったが苦情を言うわけもないからおとなしく卒業しておいた」と、首を傾げているのが面白かった。
自身が無鉄砲であることを自覚しており、他人だけでなく自分にも皮肉を飛ばすところが、主人公の魅力だと思う。
あと、子供時代によく悪戯をしていたものの、それに対する罰を潔く受けているところも好感が持てる。
「いたずらと罰はつきもんだ。罰があるからいたずらも心持ちよくできる」という心構えは、そもそも悪戯はするものではないという意見はさておき、ちょっとかっこよかった。
たくさん出てきた比喩の中でも特に、よってたかって主人公を揶揄う生徒たちの意地の悪さを「植木鉢の楓みたような小人」と表現しているのが、お洒落で印象に残った。
醜いものではなく、風流とされる楓に例えているところに、主人公の人情を感じる。
最初から最後まで、とにかく楽しかった!