レッチリ
@oi09065910811
2026年7月19日
芽むしり仔撃ち
大江健三郎
読み終わった
大江健三郎の初期長編作品。
人間を極めて物質的に描く本作はそのリアルすぎる描写に思わず目を逸らしたくなるような瞬間がある。だがページをめくる手を止めることはできない。作中の登場人物が実際に時間を止めて直面している現実から目を逸らすことができないように、読者も作品世界に没入すればするほどに、その中で起こっていることから逃げ出すことはできない。そこには希望も夢もなくただ地獄が待ち受けているだけかもしれないが、地獄を地獄と認識することができないほど地獄は僕らの近くに接近してくる。