
ユメ
@yume_bookworm
2026年6月30日
本屋さんのある街で
一穂ミチ,
三浦しをん,
凪良ゆう,
坂木司,
瀬尾まいこ
読み終わった
感想
本屋さんが大好きな私にとって、たまらないアンソロジーだった。どの短編も、作家さんの本や書店への愛が感じられる。
中でも、三浦しをんさんの「見晴らし書店の一日」が胸に響いた。しをんさんの『まほろ駅前多田便利軒』シリーズを愛読しているので、あのまほろ市が舞台だというだけで笑顔になる。昔ながらの街の本屋さんの、一日の業務の流れが分かるのも興味深かったし、「見晴らし書店」の書店としての凜とした矜恃のようなものがとても格好よくて、自分の住む街にこんな本屋さんがあったら嬉しいだろうなと思った。
「見晴らし書店」は、あからさまに差別心を煽るような本は置かない方針で、その理由というのが「ひとの心の見晴らしをよくするのが、本屋の務め」だから——なんと心強いのだろう。作品が必ずしも作者の思想をそのまま反映しているとは限らないけれど、好きな作家さんがこういう在り方の本屋さんを書いてくれたということにも励まされる思いがした。「見晴らし書店」が街のセーフティーネットとなっている様にも心温まる。
「見晴らし書店の一日」を含め、本屋さんがひとびとの居場所となっているところを描いた短編が多かった中で、一穂ミチさんの「歌うように生きて」は異色の内容。思いもよらぬ展開に度肝を抜かれ、こうして自由に本が読めるのは当たり前のことではないなと考えさせられた。








