Tomy "本好きに捧げる英国ミステリ傑..." 2026年7月19日

Tomy
Tomy
@books_tomy
2026年7月19日
本好きに捧げる英国ミステリ傑作選
本好きに捧げる英国ミステリ傑作選
マーティン・エドワーズ,
クリスチアナ・ブランド他,
深町眞理子他
本にまつわるミステリを集めた短編集。 16篇を収録しているけれど、それぞれ趣向が異なる作品ばかりで次はどんな作品だろうとワクワクしなら読んだ。 以下、特に面白く読んだ作品の感想 「殺意の家」 妻の作った食事を食べて具合の悪くなる夫。夫婦と一匹の犬の住む家に漂う不穏な空気。 ラスト3行のはどんでん返しにビックリした。 「ある男とその姑」 冒頭で本作の犯人が判明し、警察がどのように犯人を暴くのかを描いた倒叙形式のミステリ。まさに「本」の行方が事件解決の鍵となる作品で、最後の最後に本に書きこまれた証拠が提示された時はなるほどそういう事か!とスッキリした。 「性格の問題」 売れっ子作家となった妻を恨む売れない小説家の夫が妻殺害を企てていく様を描いた作品。正直主人公の夫側に同情の余地がなく、最後は妻の方が一枚上手で、文字通り人を呪わば穴二つ状態となり因果応報といった感じのラスト。 「名誉の書」 収録作の中では異色の作品でこちらだけ毛色が異なる。インド・ボンベイを舞台に出版社の営業をしているイギリス人と露天商のインド人の出自を超えた友情と息子を思う父の想いを描いた、ミステリというより人情噺といった感じ。ストリーが良くて心温まるとても良い読後感だった。 「章と節」 古き良き英国ミステリで収録作の中では一番ミステリとして格調高い正統派な印象を受けた。事件の舞台がイギリスの小さな村で牧師と教会が出てくるわ、ガーター勲章「亭」というパブが出てくるわ、解決シーンでは登場人物を集めて探偵が謎解きをするわと短編とは思えないくらい濃密で英国ミステリのロイヤルストレートフラッシュという感じ。収録作の中では個人的に一番好きな作品と感じた。
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