
猯
@647k38
2026年7月19日
ナラティヴの被害学
阿部幸大
読み始めた
むじゅい〜
でも文章が好き
博物館の展示キャプションみたいな、硬いのに熱意こもってる感じで好き
物語化することで傷つくことあるよね〜みたいなふわっとした話でなく、物語にすることで加害者/被害者を都合よく作るという暴力があるやんな??って話なんやと思う
まだイントロとあとがきしか読んでないけど
ただこれ、元の作品読んでからの方がおもろい気がするので、まず題材になってる本を読んだ方が良いがしてきた
トマス・ピンチョン『重力の虹』
ノラ・オッジャ・ケラー『慰安婦』
トニ・モリスン『ビラヴド』
ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』
デブラ・グラニク『足跡はかき消して』
ハーマン・メルヴィル『バートルビー』
映画『トップガン』シリーズ
村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』
ティム・オブライエン『本当の戦争の話をしよう』
ヴィエト・タン・ウェン『アメリカ人』
あとがきで、もう日本語で著作は出ないという宣言があって、少しさみしい
…かったんだけど、「研究書」が出ないだけで、一般書では出るみたいだ
よかったね




猯
@647k38
8トップガンの読んだ
おもろいけど結論そりゃそうでやんしょ、と思ってしまった
グレートアメリカンみ出したいのは、そりゃそういう作品でしょうなぁみたいな…
トラウマの話とかベトナム・シンドロームのとか知らん部分面白い
「そりゃそう」までの積み上げがコツコツしててよいのだと思う

猯
@647k38
5ダロウェイ夫人
エピローグ、っていうか、ラスト段落がかっこよくて好き
「ヒステリー」についてはぼんやり知ってる程度で、症状とかはわかってなくて、クラリッサが典型的なそのキャラ付けとは思わなかったので、そこからそーなんだ!って面白かった
ラストのセプティマスの死とクラリッサの生の「エピファニー」を、小説特有の劇的・激的なエモ描写くらいに流してたので、「忘れられた孤独な被害者たちを招集するためのラディカルな回路である。」という一文に終わるまでの最終段落は、完全な謎解きターンみたいで、すごくかっこいいしスッキリする
やったー!
対比に出されてるトラウマ読解については、マジで??っ感じがある
日常を送ることの難しさ、辛さ、生きることの切望と絶望の中で、それでも日常に戻ることの尊さを言いたいので、クラリッサが生・日常に戻ることはめでたいことじゃん
一緒に心中しろってのか?未亡人みたく?バカがよ、って思ったけど、元の書評みてないのでわからん
レーツィアのことをマッチョイズムの下にいる、と書いてるのは違うと思った
いや、いるっちゃいるけど、勇猛果敢な「戦士」だから結婚したんじゃなくて、穏やかで頭がよくて、っていう父性と結婚したんじゃん?
そりゃ兵士上がりだから勇敢だ、と巷間言われるマッチョイズムも採用するが、それはもっと平凡なかんじのやつだと思うし、元の戦士っぽくなってよ〜って、元の彼氏夫の日常に戻りたいよ〜の意味だと思った
いや、原文読んでないので、そうであるはず!とは言えんのやけど
レーツィアは当時の平均的な価値観の、なかでも勇猛さにぶってないけどそれでも平均的な人物に仕込まれる程度のマッチョイズムがあるよねってだけやと思う

猯
@647k38
9ねじまき鳥
ねじまき鳥が嫌いなのもあって全然乗れんかった
ポストメモリーとかで読み解くのは面白いしなるほどなあと思うんやけど、でもこれ、コーヒー占いとどう違うん?っていういつものヤツになってしまった
戦後の歴史を扱うことをテーマにしたてて、ほらこのシーンはこういう意味で、この行動はこういう意味で…みたいな、占いぽい
違う部分はどうなんすか?ってなる
例えば性的暴行と慰安婦、歴史的記憶とクレタのやつ、じゃあ最後間宮にあてがわれたのはなんなん?子供の名前エピソードは?とか
なんで近親相姦的である必要が?どうしてそれが女で描かれる必要があって、男が救う形なん?自主的にからんでくれる性的な少女はなに?とか
ノボル倒してハッピーなん、ノボルの暴力を他者性として排斥し、トオルに共感させ、しかもその暴力の責任を負わなくて済むよう逃がしてることは?
ノボルの死の責任は妻が取ることになったよね?
過去の戦災はつねに被害者、巻き込まれる第三者として"語る"当事者性の薄さは?
ふつうに責任回避しつづけて逃げ切ってるように見える
被害者立場のナラティヴから、加害者意識や当事者性を得る、って話でもないじゃん
「被害者と加害者をべつべつに扱えるような立場にない」んでしよ
これちょっと意味わからんけど
ほくは日本人なので、虐殺を行った日本という加害者側なんだけど、それは自覚してるんだけどその上で「日本は侵略行為という悪をしました」と述べる(謝ってすらいない)とき、それを自責する形で意識することができてんのかっていうと全然できてない気がする
そういう話は気になる。けど、そういう話でもないらしい
シュワブの『憑きまとう遺産』読んでみたい
でも、たぶん、どちらの話もちゃんと読み取れてないだけなんやと思う
むずいね……くやしい