
文箱
@hubaco
2026年7月20日
カテリーナの微笑
カルロ・ヴェッチェ,
日高健一郎
読み終わった
@ 電車
同作家の新刊『シビラの書』を読む前に積んでいたこちらを。
カフカスの山の部族の王女だったカティアが捕らわれて奴隷の身となり、流転の運命の末にヴィンチ村で出産し、長じた息子レオナルドがルネサンスの天才芸術家となるまで。
怒涛の展開に中近世ヨーロッパの圧倒的ダイナミズム。おもしろくてどしどし読んでしまった。ただ、随所に散りばめられた作家の女性観に違和感がどんどん強まる。カテリーナはまさに聖母マリア、となればレオナルドは当然神の子。性奴隷となった女性を扱う能天気な手つき。「より優れた(血)」などと言ってしまう優生思想。処女信仰(いろいろ言い訳されているが)も女体へのフェティシズムも自覚がないだけに気持ち悪い。
本業が小説家ではない人なので語りの手法の拙さなどはまあ許せるんだけど、内面化された女性蔑視はどうにも受け入れ難い。ついでに言うと近年のみすずのイタリア文学はけっこう癖強めですよね?
