図書館マン "海をあげる" 2026年7月19日

海をあげる
海をあげる
上間陽子
調査記録みたいな感じなのかな~と思ってしばらく読むのを躊躇っていたんだが、いざ読んでみるとエッセイに近い書き方で、沖縄を知るために読む最初の本としては入りやすい本だった。 上間陽子さんの著書は『裸足で逃げる』ぶりに読む。あの時は中高生で、どちらかというと性被害を受けた女の子たちの暮らしぶりや困難さについて調べたく読んでいたが、『海をあげる』は沖縄について知りたくて手にとった。 『海をあげる』は沖縄の女性の性被害や若年出産についても書かれているが、今回印象に残ったのは男性が主軸の話だった。 自分の彼女に援交させて金を稼いでいた沖縄出身の東京のホスト。沖縄の基地問題に抗議し、県庁前で1週間ほどハンストをした人。 米軍兵士の性暴力が絶えないせいか、沖縄は女性と絡めて語られる印象が強かったのだが、では沖縄の「男性」はどう思っているのか。 その部分について自分も自分から知ろうとしていなかったので、雑駁とした「男性」という括りではない、個人の単位で困難を抱えている「男性」の人生について書かれていたのには驚いたし、貴重な意見だなと思った。 オスプレイが飛んでは墜落する沖縄では住人たちが常に危険に晒されている。 いつやってくるかも分からない騒音はストレスになるし、小学校のグラウンドに突然落ちてくる恐怖もある。 性暴力は絶えず続き、家庭不和から逃れようとする子どもたちがいても、現状に対応でにる十分な社会システムや費用、要は社会的認知度が不足していて、子どもたちは売春や違法行為で金を稼いで生きるしかない。 危険と不安定が、常に付き纏う。 映画の「フェンス」でも言われてたことだけど、沖縄は日本の話なんだよな。 沖縄に住んでいないからって外国みたいな話にしてるんだろうな。それは自分もそう。 「自分たちの話」であるという自覚から始めていかなくちゃならないんだな。と思った。 ほんとうは他人の話でも、ある程度当事者意識を持てるのが理想的なんだが。
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