
Sanae
@sanaemizushima
2026年7月22日
批判的日常美学について
難波優輝
読み終わった
私にとって新しいものの見方で斬新。とても面白く読んだ。
歳を取れば角が丸くなって許容できる物事も増えてくるので、私自身生きやすくなっていると言えばそうなんだけど、著者が“きちんと”しなくていいとか、「人間というものは、基本的には自分のためになにかをやれるようにはできていない」(p32)とか「個人が個人を救うことなどできない。個人を救えるのは制度であり、仕組みである。」(p35)と言ってくれるのは多くの人が救われるんじゃないだろうか。
「日常にある美的なものとされているものに倫理的なものが潜んでいる」(p5)ために生きづらくなったり自由が失われることがある。
著者は”ちゃんとしなくていい“美徳を身につけるための考えるきっかけを提示してくれる。
特に印象的だったのが第10章「抑圧に感謝する 奴隷根性と弱さの美学」だった。
「人が奴隷根性の美学に酔うのは、自分の弱さ、傷つきやすさを無視するためだ。」(p217)
支配者に同調することで被抑圧者自身の弱さを無視する。
「私たちは自己が弱い存在であることを受け入れるくらいなら、抑圧者に同一化してさえも、強い自己であることを守りたいのだ。」(p220)
弱いことは倫理的な美的感覚から見たら、悪いことだから。あぁこれって、ネットや現実世界で弱い立場の人を攻撃する人たちのことだと気づく。
クルド人が拘束中に亡くなる事件がそんなに報道されもしない日本、かたや同じようにモロッコ人が亡くなって、ボローニャでは市民が警察と衝突するまでの動きになるイタリア。
私たち日本人の倫理観って、美徳って、人間らしさって何だろう、とこの本を読みながら考える。









