
ユメ
@yume_bookworm
2026年7月6日
ツバメ号とアマゾン号 上
アーサー・ランサム,
神宮輝夫
読み終わった
感想
再読
何度読み返しても、子どもたちの夏の冒険が放つきらめきに魅了される。
『宝島』や『ロビンソン・クルーソー』といった冒険小説に憧れるウォーカー家の四きょうだいが、自分たちを探検家に見立てて遊ぶ——これだけでも素敵なあらすじだが、何と言ってもこの物語が特別なのは、彼らが実際にツバメ号という帆船を操り、子どもたちだけで湖の無人島でキャンプをしてすごすという点にある。単なる空想ごっこに留まらない、本物の冒険。その眩しさこそが、初めて読んだ小学生のときに本書に強く惹かれ、今もずっと愛読書であり続けている理由なのだと思う。
今回の再読では、そんな子どもたちを支えるウォーカー家のおかあさんの素晴らしさもしみじみと感じた。帆船のタッキングを真似てジグザグに走ってくるロジャを、辛抱強く待つおかあさん。ヤマネコ島にひとり残っているティティから「こんにちは、フライデイ。」と呼びかけられ、すぐさま「こんにちは、ロビンソン・クルーソー」と返すおかあさん。子どもたちの空想に臨機応変に対応してくれる、優しくてチャーミングで、自分がかつて子どもだったことを決して忘れないこのおかあさんが、私はとても好きである。
そして、この巻には直接登場しないが、子どもたちだけでのキャンプを許可する電報として、「オボレロノロマハノロマデナケレバオボレナイ」という文面を送ってくるおとうさんもまた素敵だ。子どもたちを信頼して温かく見守ってくれる両親がいるからこそ、四きょうだいの冒険は成り立つのである。




