ユメ "ツバメ号とアマゾン号 下" 2026年7月7日

ユメ
ユメ
@yume_bookworm
2026年7月7日
ツバメ号とアマゾン号 下
ツバメ号とアマゾン号 下
アーサー・ランサム,
神宮輝夫
アマゾン海賊ことナンシイとペギイの姉妹が冒険に加わり、子どもたちの夏休みの輝きはいっそう増す。どちらが相手の船を先に分捕れるかの戦いに、ウの島での宝探し、サメ釣り。ツバメ号とアマゾン号の乗組員たちの豊かな想像力によって、お茶やレモネードがラム酒に、コンビーフがペミカンに、カワカマスがサメへと変わるのに心が躍る。こうしたキャンプでのごちそう、中でもバターで焼いたカワカマスの美味しそうなこと!子どもの頃、本書で描かれる光景に抱いた憧憬が、色褪せることなくよみがえり、幸福な夏の読書時間をすごすことができた。 船長フリントに泥棒の疑いをかけられたのち、疑いが晴れて謝罪を受け入れるのに至るまでのジョンの態度は本当に立派だし、その胸中で少年らしく揺れ動く感情の描写からは、作者のアーサー・ランサムもまた、自分がかつて子どもだったことを生涯忘れないひとだったのだろうということが伝わってくる。 そして、ジョンへの仕打ちこそひどかったものの、自らの誤ちに気付いてからはうんと歳下の少年相手に率直に謝り(それができない大人は決して少なくない)、子どもたちのよき仲間となり、『宝島』の海賊にちなんで「船長フリント」と呼ばれることを大らかに受け入れ、湖上のハウスボートで子どもたちと「決戦」を繰り広げたのちに渡り板を歩いて湖に落ちてくれる——そんなナンシイとペギイのおじさんもまた、素敵な大人だと思うのだ。
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