いち。 "星を編む" 2026年7月21日

星を編む
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凪良ゆう
「逆だよ。弱いからふんばらないといけない」 「ああ、そうかもしれない。本当に強い人はもっとしたたかに、しなりながら新しい自分を作り直す。わたしは、しなったら折れてしまう気がする。だから必死で曲がらないようふんばるしかない。負けるな、負けるなと自分に言い聞かせて。」 金星のように、かすかに煌めくような物語の断片。北原の過去。二階堂、植木の苦難と葛藤。暁海の未来。『汝、星のごとく』では語られなかった3つの物語がここに集結。それぞれの生き様を目撃し、櫂がいた証をなぞることができる至極の一冊。 過去にどれだけ苦労していても、登場人物には現実が待っている。リアリティある儚さや静けさが、一貫性を持ちながら歩いてきて、ときに安堵するような温かさを与えてくる、このサイクルが読み手の感性を揺さぶってくる。人間は誰もが主人公だからこそ、良いことのほうが少ない。もがいた先でようやく何かを得られる苦労を疑似的に知ることで、困難も、幸せも、自分らしさでさえも、無意識のうちに形成されていくような気がした。
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