
さぶりす
@saburisuuuuuuuu
2026年7月22日
心はどこへ消えた?
東畑開人
読み終わった
カウンセラーってやっぱりすごいなあ。話を作るのがとても上手。読みやすい本だった、という意味でもあるんだけれど、先生の語る架空事例内で創造される物語がどれも腑落ちして面白い。
警備員や監視カメラに超自我を投影しているクレプトマニア、環境汚染を批判することで自分の粗相を糾弾する少年、トイレットトレーニング時期に母親を失った少年がそれを自分のせいだと思い、トイレ侍になりうんこ男を斬り殺す遊びをする、他にも色々あるけれど、どれも秀逸で、なるほど腑に落ちる、と思わせる解釈で物語を作り出す。
どれも、本当にそうなのか、正直わからない。もちろん専門家として歴史の中で体系化された知恵を地盤にしているのだろうけれど、心の本当のことは結局わからないし、何なら腑に落ちてしまえばなんでもいいような気がする。大事なのは、物語が、行動や記憶に新たな意味や機能を生む隙を与えて、関係と関係の癒着が少しずつ剥がれていく。少しずつ心が動きやすくなっていく、それが大事なんだろうなあと思う。