
双子の山羊
@yagiigay
2026年7月23日
シェイクスピアの記憶
ホルヘ・ルイス・ボルヘス,
内田兆史,
鼓直
読み終わった
@ 電車
表題作「シェイクスピアの記憶」
個人には抱えきれない恵みを手にした者の孤独のテーマが繰り返される。その中でも、86頁の百科事典のくだりがとても好きだ。
「百科事典を手に入れたからといって、そのそれぞれの文を、それぞれの段落を、それぞれのページを、それぞれの挿絵を手に入れたわけではない。手にするのは、そうしたものをいくらか知る可能性に過ぎない。もしそれが、形体を有した、比較的単純な、各部がアルファベット順に並べられた存在に起こるとすれば、どうしてひとりの死者が有していた不可思議な記憶という、形体をもたず、うつろいやすい、波打つ多様な存在に起こらないことがあるだろうか。」


