いちのべ "王国" 2026年7月23日

いちのべ
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@ichinobe3
2026年7月23日
王国
王国
湊かなえ
湊かなえ作品なので一気読みしてしまった。本当に「読ませる力」が強い。 あるカップルの死の真相を探る物語ではあるが、厭な読後感は無く、それぞれに夢を抱きながら、ささやかな日常を懸命に生きる人々の過去のあやまちや後悔、ボタンのかけ違いが描かれ、丁寧にわだかまりが解きほぐされ、真実が明かされていく。 「湊かなえ=イヤミス」のイメージで止まってる/それで敬遠している人が読んだら、その印象が覆される作品だと思う。 自分は、湊かなえ作品から浴びせられる「厭さ」を好む人間なので寂しくもあるのだが、それが無くとも、湊かなえ作品が面白いことには変わりない。 --- そして、面白さという軸とは別で、今作が「第30作にして新たなる挑戦――究極のブロマンス・ミステリ」と公式で紹介されていたので、そのブロマンス要素に対する個人的な(無駄に長い)感想。 湊かなえの描く「ブロマンス」ってどんなことになるんだ……!?と発売前からワクワクしてたが、結果、自分の求める「ブロマンス」とはちょっと違ったかな感。 とはいえ「ブロマンス」はWikipediaの定義的には「2人もしくはそれ以上の人数の男性同士の近しい関係のこと。性的な関わりはないものの、ホモソーシャルな親密さの一種とされる。」で、確かにそれには当てはまる内容ではある。なので自分の中の「ブロマンス」の定義が狭い or 偏っているだけかもしれず、これはあくまでも一個人の印象に過ぎない。 互いへの疑心暗鬼を経ての最終的な展開は、個人的には「チーム愛」という表現が当てはまる印象があった。そこから「ブラザーフッド(共通の目的て試練を共にした男性同士の深い絆や兄弟のような連帯感という意味合いで)」が生まれていく予感はあるんだけど、やはり自分のイメージ&期待する「ブロマンス」からはズレていた。 あと、読書中にもつぶやいたけれど、物語(事件)の軸になるのは異性愛カップルである朔也と汐音の関係性だったりする(汐音に好意を寄せていた者は他にも複数人いる)し、家族愛の要素も強いし、別にブロマンスが関係性の主題ではないよな……という印象もあり。ヒューマンドラマ、あるいは群像劇、のほうが個人的にはしっくりくる。 【追記 2026/07/24】 一夜明けて「何故、海の騎士たちと同じく重要な登場人物である、珊瑚の女王=汐音のビジュアルイメージは事前に出なかったんだろう……?」という気持ちになっている。 汐音だって魅力的な登場人物で、彼女の存在があらかじめ提示されることによって、興味を持つ/読みたくなる読者もいるかもしれないのになぁ……
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