
オムロちゃん@ゆっくりレモン
@Omuro
2026年7月24日
君のクイズ
小川哲
読み終わった
答えがないクイズなんてあるのか?
これが、読み終えての感想。
読んでいてまず思ったのは、OVAやドラマの特番を一本見終えたような読後感だった。
最近読んできた本の中ではかなり軽く、肩肘張らずに読み進められた。
序盤は、やらせ問題を暴く爽快な逆転劇を期待していた。
あるいは、その逆で後味の悪い結末になるのかもしれないとも思っていた。
クイズを題材にした作品なのだから、最後には白黒をはっきりつけてくれるものだと勝手に思い込んでいた。
ところが中盤から、この本の読み方が変わった。
これは勝敗を追う物語ではなく、クイズという文化そのものを楽しむ本なんだと感じるようになった。
クイズ好きの人の話を聞いているような感覚というか、ラジオ番組のオフィシャルブックを読んでいるときに近い感覚だった。
雑学や競技クイズの世界を知る読み物にシフトしていった。
そして終盤。
結論は、白でも黒でもないところへ着地する。
現実に寄り添った内容であり、不自然さもない。
だから作品として文句はないが、俺は好きじゃない。
本気で趣味をやっている人ほど、自分の好きには頑固になる。
その感覚には共感できる。
だからこそ、この本が最後に読者へ委ねた情熱の置き場は人それぞれ、という着地点。
キャッチーさとコアさどっちが優れてるという題材は、あるあるすぎて、作者が結論付けなかったのが嫌だったんだと思う。
結局、この本と僕の見解の違いは、主人公が物分かりが良すぎるってことなのかもしれない。
人間臭さが薄い。
とはいえ、読んでいて疲れる場面はほとんどない。
重い作品が続いたときに挟む一冊としては、とても読みやすい作品だった。
