
zelkova
@zelkova
2026年7月24日
なぜ日本文学は英米で人気があるのか
鴻巣友季子
読み終わった
日本文学のことだけでなく、翻訳文学全体の大きな流れもわかり、おもしろかった。
印象に残ったのは政治的パワーバランスのこと。原理的には翻訳者より原著者の立場が強いけれど、政治的なパワーバランスで逆転することがあり、白人社会にとって好ましい解釈によって“物語”が変形してしまう危険性が高く、これを翻訳用語で「馴化翻訳」というそうだ。
著者が言うように「言語を翻訳しあうことで文学・文化は互いに耕され、その巨大な循環が実りをもたらしている」のだから、わかりやすく「馴化翻訳」するより、わからないことや違うことを知って楽しむものであってほしい。幸い、なんでも読みやすくすればいいものではないという考えも少しずつ浸透してきているそうだ。
なお、日本の翻訳界はもともと忠実さを旗印にしているとのこと。著者をはじめとする翻訳家のみなさんにあらためて感謝。
日本文学に関しては、癒し系も英米で人気があるということにびっくりした。「コンテンツとして、いまや猫、喫茶店、図書館・書店が、かつてのフジヤマ、ゲイシャ、サムライに相当しそう」という著者の言葉に笑ってしまった。本屋で見て猫が出てくる本が多いなとは思っていたけど、英米まで進出していたとは。猫は世界を救う。






