
zelkova
@zelkova
海外文学(最近は特に韓国)とファンタジーばかり読んでいると思っていたけれど、意外とミステリーやらなんやらも。
- 2026年8月25日
「日本」ってどんな国?本田由紀読んでる「『古い日本』が凝縮されているかのような自民党が政権党として君臨し続けているという事態からまず変えていかないことには、ジェンダーに関する日本の病巣は、これからも腐臭を放ち続けるに違いありません。」 語りかけるような、読みやすくわかりやすい文章で、腐臭を放っていると自民党をしっかり批判する力強さに励まされる。 - 2026年8月22日
木を知る図鑑Serge Schall,ダコスタ吉村花子,川尻秀樹読み終わったフランス語の「木」にちなんだ表現で、「どの木で温めているか見せる」=「おれを怒らせると怖いぞ」だそうだけど、なんでそうなるのか不思議。 「ビジュアルで学ぶ」なので図版がたくさんある上に、文字も意外と多く詰め込まれているので情報量がすごい。体系的には書かれていないから、気になったときに気になったところをパラパラ見るのがいいのかも(図書館で借りた本だからそういうわけにいかないけど)。 でも、同時に読んでいた『地図とデータで見る森林の世界ハンドブック』と同じくフランスの人が書いた本で、これも文章がなんだかわかりにくいところがあって、私はもしかしてフランス語やフランス式の文章と相性が悪いのかなと思ってしまった。 - 2026年8月21日
地図とデータで見る森林の世界ハンドブックローラン・シモン,ジョエル・ブーリエ,蔵持不三也読み終わったイケアが世界の木材生産量(薪炭材をのぞく)の1%を使っている世界第3位の消費者というのに驚いた(1位と2位は書いてなかったけど誰だろう?)。FSC認証林の木材を使用するようにしているとのことだけど、国際的な大企業がどんなふうにどれくらいの木材を使うかということの影響は大きいんだろうな。 この本の内容は興味深いのに、翻訳のせいなのかなんなのか、文章や図がわかりにくかったのが残念。 - 2026年8月19日
ナイン・ストーリーズJ・D・サリンジャー買った読みたい高校生のときにサリンジャーにはまってから繰り返し読んでいた『ナイン・ストーリーズ』を久しぶりに読みたくなった。そのときの本をまだ持っているけれど、元々父のものだったからかなり古くて汚れている。父の書き込みもあるのでこれはこれで大切なものだけど、どうせなら新しいものを買おう、と本屋さんへ。読み慣れた野崎孝訳の新潮文庫版はきれいなバナナ色の表紙が素敵。でも、汚れているとはいえ同じものをもう1冊買うより、前から気になっていた柴田元幸さんの河出文庫版にするべきか。いっそ両方とも買うか。でも、やっぱりバナナフィッシュは「日和」じゃなくて「うってつけ」だし、エズメじゃなくてエズミであってほしい…。ということで新潮文庫。今読んだら、若かったときのお気に入りだけじゃなく、あんまりピンと来なかったものも楽しめそうな予感がする。
- 2026年8月18日
魔術の殺人アガサ・クリスティー,田村隆一読み終わったときどきアガサ・クリスティーを読みたくなって図書館から借りてくる。前はポアロが好きだったけど、最近はミス・マープルが好きになってきたのは、だんだん年齢が近づいていくからかな。 この作品では、賢くて上品なミス・マープルのほかにも興味深い女性がたくさん出てくる。これまでにもミス・マープルシリーズでは魅力的な女性が出てきていたような気がするし、アガサ・クリスティーの作品は女性がどんなふうに描かれているかという視点で読んでもおもしろそう。 - 2026年8月10日
優等生は探偵に向かないホリー・ジャクソン,服部京子読み終わったポッドキャストやSNSの使い方は前作同様に現代的でおもしろい。でも、これって青春ミステリじゃなかったの?とちょっと文句を言いたくなるような重苦しさがある。三部作の二作目なので、次の完結編では主人公のピップが明るくすっきりした気持ちになって終わるといいなあ。 - 2026年8月8日
テヘランのすてきな女金井真紀読み終わったイランに関してニュースやSNSでよく目にするようになり、イランのこと、イランの人たちのことを知りたいと思って読んでみた。 女性は髪や身体の線を隠さなくてはならないとされ、ほかにもいろいろな制約がある国で、この本に出てくる女性たちは思っていたよりずっと逞しくてしなやかだった。イランでは多くの女性がやっている豊胸手術を「手術は自分の体を好きになるためよ。男のためなんかじゃないの、けっして!」ときっぱり言う人、子どもの頃に女子には許されていなかったサッカーをどうしてもやりたくて男の子のふりをしていた人、大統領選挙不正糾弾デモにも反スカーフデモにも参加していて「たくさんの人が国外に移住するのを見てきたけど、わたしは死ぬまでイランにとどまるつもり。この国が変わるのを見届けたいの」と言う人などなど。 著者の金井真紀さんは「どうかそれぞれの人がその人らしくいられますように。この人生を味わって進んでいけますように」と言っている(そう言うからにはその人らしくいられない人たちがいる社会だということなのだけれど…)。そんな人のインタビューだから、相手の魅力をより引き出すことができてるんだろうな。スケッチも温かみがあって素敵だった。 - 2026年8月1日
みみずくは黄昏に飛びたつ川上未映子,村上春樹読み終わった「物語とか、男性とか井戸とか、そういったものに対しては、ものすごく惜しみなく注がれている想像力が、女の人との関係においては発揮されていない。女の人は、女の人自体として存在できない。」 「現実世界の多くの女性は、女性であるというだけで生きているのがいやになるような体験をしています。」 「だから、物語の中でも女性が男性の自己実現や欲求を満たすために犠牲になるという構図を見てしまうと、しんどくなるというのはありますね。」 村上春樹の作品を読んでモヤモヤしていたことを川上未映子さんがしっかり言語化してくれていた。ここまで踏み込んでくれたのは嬉しい。村上春樹さんの答えが、たまたまのことじゃないかな、とくに意識してはいない、だったのはちょっと残念だったけど。 でも、川上さんを通して見ると村上春樹は(私はあんまり好きになれないにしても)すごい小説家だということがわかった。いまいちだったら途中で止めようかと思ってたのに最後まで読んでしまうくらいにおもしろかった。 - 2026年7月24日
なぜ日本文学は英米で人気があるのか鴻巣友季子読み終わった日本文学のことだけでなく、翻訳文学全体の大きな流れもわかり、おもしろかった。 印象に残ったのは政治的パワーバランスのこと。原理的には翻訳者より原著者の立場が強いけれど、政治的なパワーバランスで逆転することがあり、白人社会にとって好ましい解釈によって“物語”が変形してしまう危険性が高く、これを翻訳用語で「馴化翻訳」というそうだ。 著者が言うように「言語を翻訳しあうことで文学・文化は互いに耕され、その巨大な循環が実りをもたらしている」のだから、わかりやすく「馴化翻訳」するより、わからないことや違うことを知って楽しむものであってほしい。幸い、なんでも読みやすくすればいいものではないという考えも少しずつ浸透してきているそうだ。 なお、日本の翻訳界はもともと忠実さを旗印にしているとのこと。著者をはじめとする翻訳家のみなさんにあらためて感謝。 日本文学に関しては、癒し系も英米で人気があるということにびっくりした。「コンテンツとして、いまや猫、喫茶店、図書館・書店が、かつてのフジヤマ、ゲイシャ、サムライに相当しそう」という著者の言葉に笑ってしまった。本屋で見て猫が出てくる本が多いなとは思っていたけど、英米まで進出していたとは。猫は世界を救う。 - 2026年7月22日
砂の境界ギーターンジャリ・シュリー,藤井美佳気になる読みたい2022年にヒンディー語圏の作家として初めてブッカー国際賞を受賞したこの作品も鴻巣友季子さんの『なぜ日本文学は英米で人気があるのか』で知った。老女が旅に出る物語というのにまず惹かれるんだけど、「文体は前衛的で、ドアや窓や鳥たちまでが言葉を発する」というのでますます気になる。英訳した翻訳者は「新しい訳語を造ることに努めた」と語っているそうなので、日本語訳はどうなっているのかも気になるところ。 - 2026年7月20日
みみずくは黄昏に飛びたつ川上未映子,村上春樹気になる今、読んでいる鴻巣友季子の『なぜ日本文学は英米で人気があるのか』で知った本。この川上未映子の村上春樹へのロングインタビューについて英ガーディアン紙は、「(川上は)敬意を払いながらも村上の小説に潜んでいると見るセクシズム(性差別・偏見)にずばり切り込んだ」と書いていたそうだ。そこに切り込んでどんな話をしたのか、ちょっと気になる。川上未映子がそれでも村上作品を敬愛しているというのも、ちょっと不思議で気になる。 - 2026年7月17日
消失パーシヴァル・エヴェレット,雨海弘美読み終わった差別する側、偏見を持つ側が考える「らしさ」を求められ、皮肉で応じたつもりが額面通りに受け取られたら、どうしたらいいのだろう。 この作品の感想にユーモラスとかコメディなどというのがあることに驚いてしまった。私はホラーのように感じて怖かったんだけれど。 つい最近読んだヴォネガットの『母なる夜』に教訓として書いてあった「われわれは表向き装っているものこそ、われわれの実体にほかならない。だから、われわれはなにのふりをするか、あらかじめ慎重に考えなくてはならない」にも通じるものがあるように思った。 - 2026年7月12日
母なる夜カート・ヴォネガット・ジュニア読み終わった4月にやっていた独立書店ネットワークの「白水社フェア」の冊子「わたしの白水社」で紹介されていた中で1番気になったので読んでみた。(紹介されていたのは当然のことながら白水社のほうだったけれど、私が読んだのはハヤカワ文庫のほう。すみません。) シンプルな文体で、ユーモラスで皮肉がきいているといわれるヴォネガット。楽しく読めるけれど、ずしっと響いてくる重たさがあった。 「われわれは表向き装っているものこそ、われわれの実体にほかならない。だから、われわれはなにのふりをするか、あらかじめ慎重に考えなくてはならない」 「この人物はあまりにも公然と悪に仕え、あまりにもひそかに善に仕えたが、その罪は彼の時代が負うべきである。」 よくわからないな、こういうことを言いたかったのかな?などと読み終わってからもぐるぐると考えていて、1冊読んだだけでこんなに考えさせられるなんてお得感があるぞ。少し時間がたってから読み返したらまた違ったことを考えたりしておもしろそうだし、ヴォネガットのほかの作品も読みたくなってきた。 - 2026年7月11日
とにかく、デモ!チョン・ボラ,吉良佳奈江気になる読みたい新宿のベルクの店長さんのTwitterによると、ベルクのレジ前に50冊積み上げてみたら昨日1日で43冊売れたそうだ。声を上げる人たちに、勇気を力を与えるエッセイらしい。めちゃくちゃなことばかりでデモに行くのもちょっと疲れてきたけど、諦めるわけにはいかないので勇気と力をもらいたい。 - 2026年7月4日
アイリッシュ・ダンスへの招待ビル・リンチ,守安功,山下理恵子読み終わったリヴァーダンス以前のこと、あるイベントで初めてアイリッシュ・ダンスを見て一目惚れしてしまった。きれいな衣装を着て長い髪をカールさせた女の子たちが上半身は「気をつけ」の姿勢のままステップを踏む、サザエさんのエンディングを思い出すような(もっとかっこいいけど)不思議な動き。また見たい、できれば自分でもやってみたい!と思っても日本ではそんな機会はないままだったけれど、たまたまこの本を見つけたので読んでみた。この本によると私が見て感動したダンスはモダン・スタイル・ステップ・ダンスというもので、伝統的なダンスを踊る人たちの間では否定的に見られているということには驚いた。でも理由は納得できるので嫌な気持ちにはならず、むしろ伝統的なダンスに興味が出てきた。私がかつて憧れたモダン・スタイル・ステップ・ダンスは厳しい訓練をして若いうちにしかできないものであるのに対し、伝統的なダンスは何歳からでも遅くない、80歳を超えても踊れるというのも魅力的。やってみたいなー。 - 2026年6月27日
西の魔女が死んだ梨木香歩読み終わった再読梨木香歩作品集のほうを読んだら久しぶりに読みたくなって「渡りの一日」だけ再読。藤沢兄弟が可笑しくて声を出して笑ってしまった。この能天気な兄弟にほっとして笑ってしまうのも、まいとの対比があるからなんだろうな。 今回あらためて読んで、まいが女性の生き方についていろいろあるんだなと思うところが印象に残った。学校生活での辛さをおばあちゃんに助けてもらったまいが、この作品ではいつか社会に出るときに励みになりそうな女性に出会う。まいの成長と魔女修行の成果が感じられたのがよかった。 - 2026年6月23日
西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集梨木香歩読み終わった梨木香歩さんの作品にはたくさんの植物が出てくる。それから、風や雨や光、鳥などの自然の生きものや風景。そういうものの見方が素敵で、描写されたものを頭の中になるべくくっきりと思い描きながら読むのが楽しかった(どんな植物なのかわからなかったクサノオウは調べたりもした)。鳥の雛を助けつつ、蛇のことを思うあたりにも自然に対する姿勢が表れていて、ひいては人に対する姿勢にもつながっているように思う。 表題作以外の3編は初めて読んだけれど、その世界からはみ出すことなく、表題作と同様に「こうだったらいいのにな」と思うことを形にしたような心温まる話だった。 どれもよかったけれど、「冬の午後」の雄鶏の話はゲンジさんと重なるような気がしておもしろかったし、最近ちょっとしんどい思いをしているうちのこどもたちにちょうどよさそうなので勧めてみよう。 - 2026年6月20日
西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集梨木香歩借りてきた読み始めた「おばあちゃんはまいのマグにミルクを注ぎ、紅茶を入れてまいの前に置いた。」 「濃く入れてあって、かぐわしく、おいしかった。」 先にミルクを入れる美味しい紅茶というちょっとしたことでイギリスを感じさせるところも好き。 新潮文庫版は持っているけれど、これには読んだことのない短編も収録されているのを知って図書館で借りてきた。まずは「西の魔女が死んだ」を再読。最後の場面を思うと今から泣きそう。 - 2026年6月19日
べつの言葉でジュンパ・ラヒリ,中嶋浩郎読み終わったここで『翻訳する私』を知って興味を持ち、でもいつか読みたいと思いながらまだジュンパ・ラヒリの小説を読んでいなかったので、まずは『停電の夜に』を読み、次はエッセイをと読んだのがこの本。タイトルもいいけれど、表紙の写真に惹かれて選んだ。読み終わって、あらためて内容に合った素敵な写真だなと思う。 ラヒリにとっては、イタリア語は逃避であり、人生を変えるものだった。言葉を通して自分を見つめているこのエッセイを読んで、これからさらにラヒリの小説を楽しめそうな気がしている。 もっと単純に、言語を学習するときの励みにしてもいいかも。 「もしすべてが可能だったら、人生に何の意味や楽しさがあるだろうか? もしわたしとイタリア語の間の距離を埋めることが可能だったら、わたしはこの言語で書くことをやめるだろう。」 - 2026年6月15日
一次元の挿し木松下龍之介読み終わったミステリーは好きだけど殺人事件は好きじゃなくて、特にスプラッターとか気持ち悪いのが苦手な私には向いてないやつだった…。 それに、モテモテの主人公に都合のいい女性ばかり出てくるところが村上春樹っぽくて、これまた苦手…。
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