
つたゐ
@tutai_k
2025年3月29日

生き物の死なせ方
渡邉悟史
読み終わった
「生き物の死なせ方 共生・共存からはみ出した生物たちの社会学』渡邉悟史 ナカニシヤ出版
冷凍死させられるアカミミガメや、プールで生きる交雑種のオオサンショウウオ、アニマルシェルターの猫、昆虫採集論争、ヤマビルの駆除。人間がどのように生き物を「死なせてきたか」を、フィールドワークした本。
外来種の問題、ノネコの問題となると、「命を奪う暴力性」「生態系の保全」という二項対立が煽られるようになってしまうけれど、そのどちらをも他者に委託してしか生きていない(論じてもいない)、ことは私にとってはやはりつよく、大きな意識の向くところ。
最初の「カメ先生」はカメ好きの自分がなぜ「こんなこと」をしなければならないのかとつぶやくところから始まっていて、それらはどんな立場からも絡め取られない複雑さがあるように私には思う。スパッと答えが出るものではなく、答えが出ない「わからなさ」、を持ち帰ることで、「死・死体」を唯一無二の「返事」にしない、というのかなー。長い宿題をもらった気がする。
私は夢中で読んだし、とてもよかった。

