
ユメ
@yume_bookworm
2026年7月11日
プレゼント
伊坂幸太郎,
宮部みゆき,
恩田陸,
梨木香歩,
江國香織,
町田そのこ,
米澤穂信
読み終わった
感想
豪華な執筆陣による、「夏」をテーマにしたアンソロジー。少し不思議な話、背中がさあっと冷たくなるような怖い話、甘酸っぱい恋の話。夏のどこか刹那的な空気を切り取った短編たちは、作家さんごとに読み味ががらりと変わって、これぞアンソロジーの醍醐味、と思う。様々な夏の欠片をプレゼントしてもらった気分だ。
私がいちばん好きだったのは、町田そのこさんの「きっとあの日の光と同じ」。『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』シリーズのスピンオフということで、読む前から楽しみにしていたのだが、期待以上によかった。
自覚した瞬間に叶わないと悟る初恋の切なさ、長年かけて結ばれる純愛の美しさ、そして変化を乗り越えて続く友情の尊さ。素敵な描写が物語の中に溢れている。最初、下の名前だけでは「彼」が「彼」だと気付けないまま読んでいたので、舞台が現代へと移ったときに誰だか理解したら、物語への愛おしさが増した。線香花火の小さな光とパチパチ弾ける音が恋しくなる、そんなお話だった。

