sas "帰れない探偵" 2026年7月26日

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@sas
2026年7月26日
帰れない探偵
帰れない探偵
柴崎友香
「疑うことと、人を信じることって別じゃないですか?  どんなに信頼してる、すごく好きな人でも、その人が何をするかなんてわからないでしょう。自分で自分のことだってわからないのに」 「人間のことはわからないとは思いますが、それは信じる信じないや、絶望といったこととはまた別です。少なくとも、わたしにとっては。悲しいとは思いません」 いつか、会えるといいね。きっと会えるよ。……などと、わたしはこういう場面で言えない。あるいは、ナンテン(仮名)もあなたに会いたいと思っているよ、とか。 それでも、背後に紐付くあれこれをここまで意識しないで生活できたし、少なくともぬいぐるみは布と綿でしかなかった。切り裂いても中にあるのは綿だけだった。転売先を外国まで探したり大人が子供のためのものを買い占めたりすることもそれほどなかった。 「昔、テレビの放送が終わると砂嵐って呼ばれてたざらざらが画面に映っただろ。あれをじっと見ていると、なにか模様みたいに見えてくる気がする。重ね合わせたらもっと意味のある形に見えてくるだろう。というよりも、なにか意味があってほしいんだ。意味があって、自分はその答えをわかってるんだと思いたい。そして、それを利用するやつもいる」 モザイク画のような、どこにいるのかいないのか、あったものが本当にあったのかなかったのか、わからなくなる
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